「エアコンが高いので10畳の部屋に6畳用や8畳用のエアコンを設置することは可能でしょうか?」そんな疑問はありませんか? 実は、よくある質問なんです。
先日、当サイトの「無料相談窓口」にも、同じようなお悩みが寄せられました。
- 件名;
ちょっとした疑問 - 内容;
エアコンの買い替えを検討しています。
現在使っている エアコンの型番で調べたらどうやらこの部屋は 10畳 らしく、安い 10 乗用 エアコンがないか探していたのですが、どれも5万円を超えていました。
そこで私の中に生じた一つの疑問、「10畳の部屋に6畳用 や 8畳用のエアコンを置いたらどうなるのか?」
インターネットでは20畳の部屋に6畳のエアコンを置いて聞いたという人がいますが、あまり信用できなかったので質問しました。
今回は、このご相談内容を元に、エアコンを買い替える際の畳数表示の選び方について、エアコンのプロ「taichan」が詳しく解説していきます。
同じような悩みをお持ちの方は、ぜひ参考にしてみてください。
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この記事の監修者
「taichan(たいちゃん)」
エアコンの故障診断のエキスパート、taichanです。大学院でヒートポンプを研究し、特許も取得。大手電機メーカーで培った知識と15年以上の現場経験を活かしたセカンドオピニオンを無料相談Q&A(空調テック)で提供中。電気主任技術者、電気工事士、冷凍機械責任者など、多数の資格を保有。
taichanからの回答
エアコンの畳数表示は、あくまで目安です。10畳の部屋に6畳用や8畳用のエアコンを設置することは技術的には可能ですが、いくつかの注意点があります。
【注意点1】 エアコンの能力不足
6畳用や8畳用のエアコンは、10畳の部屋を冷やすには能力不足となる可能性があります。そのため、部屋全体を快適な温度に保つのが難しく、設定温度に達するまでに時間がかかったり、電気代が高くなったりする可能性があります。
エアコンの能力が小さすぎると、エアコンの負荷が大きくなる真夏や真冬に設定温度まで室温を上げることができなくなる可能性もあります。
これは、設定温度に達するまでに時間がかかるだけでなく、エアコンがフル稼働し続けることで、消費電力が増加し、電気代が高くなる可能性があるということです。また、エアコンに大きな負荷がかかり続けることで、故障のリスクが高まり、寿命が短くなる可能性もあります。
【注意点2】 20畳の部屋に6畳用エアコンの例
インターネットで「20畳の部屋に6畳用のエアコンを設置した」という情報を見かけますが、これは特殊なケースと考えられます。通常、エアコンの能力は部屋の広さに合わせて選ぶ必要があります。しかし、部屋の断熱性が高く、熱が逃げにくい場合は、エアコンの能力が不足していても、部屋を冷やすことができます。
例えば、以下のような条件が揃っていれば、6畳用エアコンでも20畳の部屋を冷やせる可能性があります。
- 断熱性が高い部屋:
窓がペアガラスになっていたり、壁に断熱材がしっかりと入っていたりする部屋は、熱が逃げにくいため、エアコンの負荷が軽減されます。また、気密性が高いことも重要です。隙間が少ない部屋は、冷暖房効率がさらに高まります。 - 24時間つけっぱなし:
エアコンを1日中つけっぱなしにして室温を常に一定に保つことで、ピーク時のエアコンの負担を減らすことができます。 - 暖房能力の高いエアコンの設置:
価格の安いエアコンは暖房能力が小さく、冬に部屋が温まりにくい傾向にあるが、フラッグシップの高機能エアコンであれば6畳用でも低温時の暖房能力が高く、広い畳数でもカバーできる可能性があります。
ただし、気密断熱性の高い鉄筋コンクリート造のマンションの中住戸(上下左右を他の住戸に囲まれた位置にある部屋)を除き、既存の一般的なアパートや木造住宅で上記の条件をすべて満たすことは難しいでしょう。新築住宅を建てる段階から、建築家の人に断熱気密にこだわること、エアコンを住宅設備として24時間つけっぱなしにするという条件で負荷を計算して、エアコンを選ぶというステップが必要です。
つまり、20畳の部屋に6畳用エアコンを設置することは、特別な設計や使い方に工夫が必要となるため、一般的なケースでは推奨されません。
【注意点3】エアコンの選び方
エアコンを選ぶ際には、部屋の広さだけでなく、以下の点も考慮する必要があります。
- 部屋の断熱性: 断熱性が高い部屋ほど、畳数表示より小さなエアコンでも十分な場合があります。
- 日当たり: 南向きの窓が大きい日当たりの良い部屋は、畳数表示より大きなエアコンが必要になります。
- 生活スタイル: 暑い時や寒い時だけエアコンを使う(24時間つけっぱなしではない)場合は、部屋をすばやく冷やしたり温めたりできる能力を示す最大能力(kW)が重要になります。
【注意点4】エアコンの仕様をチェック
エアコンの能力は、エアコンの下面に貼られているシールや、カタログの最後の方にある仕様欄に記載されている「冷房能力」や「暖房能力(低温)」で確認できます。
エアコンの下に貼られているシール
エアコンのカタログの仕様表
畳数表示は最大能力と考えて、真夏や真冬に今のエアコンで余裕があった場合は、畳数をおとしても大丈夫な可能性があります。逆に、エアコンの効きが悪かった場合は、冷暖房能力の大きなエアコンを選びましょう。
価格の安いエアコンは、外気温が低い時期の暖房能力「低温暖房能力」が冷房能力と同程度しかないことがよくあります。冬場もエアコンだけで暖房する場合は、暖房能力は冷房能力の2倍近く必要になるため、注意が必要です。
暖房能力(低温)とは、外気温が低い時のエアコンの部屋を暖める能力のことです。
一般的にエアコンの暖房能力は、外気温7℃の時の能力を指します。しかし、冬は外気温が7℃を下回ることも多く、特に寒冷地では0℃近くになることもあります。
このような寒い状況下では、通常の暖房能力では十分に部屋を暖められない可能性があります。そこで、外気温2℃というより低い温度での暖房能力を「暖房能力(低温)」または「低温暖房能力」として表示しています。
暖房能力(低温)の値が大きいエアコンほど、寒い冬でもパワフルに部屋を暖めることができます。
具体的にどのような場合に重要か
- 寒冷地に住んでいる場合
- 冬場にエアコンをメイン暖房として使う場合
- 朝晩の冷え込みが厳しい地域に住んでいる場合
- 暖房の効きが悪いと感じている場合
暖房能力(低温)を確認する方法
エアコンのカタログや仕様書、メーカーのウェブサイト、エアコンの下に貼られているシールなどで確認できます。
選ぶ際のポイント
- 暖房能力(低温)の数値が大きいほど、寒い冬でも暖房性能が高い
- 冷房能力と暖房能力(低温)のバランスも考慮する。
真冬にエアコンだけで暖房を行う場合に必要となる低温暖房能力は、冷房能力の2倍程度が目安です。低価格帯のエアコンは低温暖房能力の小さいものが多くなっています。冬でも快適に過ごすために、エアコンを選ぶ際には暖房能力(低温)もチェックするようにしましょう。
スマート診断ナビの活用のススメ
当サイトでは、「スマート診断ナビ」をご用意しています。今お使いのエアコンの情報や使い心地を選んでいくだけ、あなたのお部屋にぴったりのエアコンを選ぶことができます。ぜひご活用ください。
エアコンの選定は、部屋の条件や生活スタイルによって大きく異なります。上記を参考に、あなたに最適なエアコン選びをしていただければ幸いです。
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