ダイキンの業務用エアコンを使用中にエラーコード「E4」が表示されたら、それはエアコンの心臓部である圧縮機に過大な負担がかかっているサインです。
このエラーコードは、室外機の保護装置が作動した際に表示されますが、その原因は一つではありません。
この記事では、エラーコード「E4」の原因として考えられる様々な可能性と、具体的な対処法について詳しく解説します。
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この記事の監修者
「taichan(たいちゃん)」
エアコンの故障診断のエキスパート、taichanです。大学院でヒートポンプを研究し、特許も取得。大手電機メーカーで培った知識と15年以上の現場経験を活かしたセカンドオピニオンを無料相談Q&A(空調テック)で提供中。電気主任技術者、電気工事士、冷凍機械責任者など、多数の資格を保有。
E4エラーとは?
E4エラーは、エアコンの冷媒系統に異常が発生していることを示すエラーコードです。冷媒ガスの不足や漏れ、センサーの故障などが原因で、冷媒の圧力が異常な状態になっています。放置すると、エアコンの冷却能力が低下したり、最悪の場合、圧縮機が故障する可能性もあります。
E4エラーは、エアコンがこれ以上運転を続けると故障する可能性があるため、安全装置として機能しています。
エラーコード「E4」の主な原因
E4の原因として考えられるのは、主に以下の点が挙げられます。
冷媒系統の不具合
エアコンが部屋を冷やしたり温めたりするには、「冷媒」と呼ばれる物質がエアコン内部を循環することが不可欠です。冷媒は、ちょうど人間の血液のように、熱を運ぶ役割を担っています。
しかし、この冷媒が不足したり、配管から漏れてしまったり、循環する経路が詰まってしまったりすると、エアコンは正常に機能しなくなります。
冷媒系統に不具合が生じると、エアコンの冷暖房効率が著しく低下し、設定温度に達するまでに時間がかかったり、電気代が余分にかかってしまうことがあります。また、最悪の場合、エアコンが全く動作しなくなることもあります。
冷媒系統の不具合は、以下のような原因で発生する可能性があります。
- 配管の経年劣化による亀裂や穴あき
- エアコン設置時の施工不良
- 室外機への衝撃や振動
- スラッジなどによる配管詰まり
もし、エアコンから冷風や温風が出ない、効きが悪い、異音がするなどの症状が現れた場合は、冷媒系統に不具合が発生している可能性があります。
冷媒系統の点検や修理は、専門的な知識や技術、専用の工具が必要となるため、ご自身で行うことは大変危険です。必ず専門業者に依頼するようにしましょう。
専門業者に依頼することで、冷媒の補充や漏れ箇所の修理、詰まりの除去など、適切な対応をしてもらえます。また、定期的なメンテナンスを依頼することで、冷媒系統の不具合を予防することも可能です。
室外機低圧圧力スイッチまたは温度センサーの故障
室外機低圧圧力スイッチまたはセンサーは、冷媒回路内の圧力や温度を監視し、異常があればエアコンを停止させる安全装置です。
これらの部品が故障すると、 誤作動を起こしてエアコンが停止したり、逆に正常に動作せず圧縮機が過負荷状態になってE4エラーを引き起こす 可能性があります。
故障の原因としては、以下のようなものが考えられます。
- 経年劣化: 長年の使用による部品の劣化
- 振動や衝撃: 室外機への物理的な衝撃
- 埃や汚れの付着: センサー部分への汚れの付着
- 接触不良: 配線やコネクタの接触不良
もしこれらの部品が故障している場合は、交換や修理が必要になります。
電磁開閉器の不具合
電磁開閉器(四方弁、閉鎖弁、電子膨張弁など)は、エアコン内部で冷媒の流れを切り替えたり、圧力を調整したりするためのスイッチのような役割を果たす部品です。冷房と暖房を切り替える際に、冷媒が流れる方向を制御することで、効率的な運転を可能にしています。
しかし、この電磁開閉器が故障してしまうと、エアコンは正常に動作しなくなる可能性があります。例えば、以下のような症状が現れることがあります。
- エアコンが冷えない、または暖まらない
- エアコンの運転が不安定で、すぐに止まってしまう
- 異音がする
- 電源が入らない
電磁開閉器の故障は、内部の部品の摩耗や、電気的な接触不良などが原因で発生する可能性があります。
電磁開閉器の修理には、専門的な知識と技術が必要です。ご自身で修理しようとすると、感電や火災などの危険性もあるため、必ず専門業者に依頼してください。
プリント基板の故障
プリント基板は、エアコン全体の動作を制御する、いわば「頭脳」のような役割を果たす部品です。温度設定や風量調節、タイマー機能など、エアコンの様々な機能をコントロールしています。
このプリント基板が故障すると、エアコンは正常に動作しなくなり、快適な環境を維持することが難しくなります。例えば、以下のような症状が現れることがあります。
- エアコンの電源が入らない
- リモコン操作を受け付けない
- 温度設定ができない
- 風量が勝手に変わってしまう
- エラーコードが表示される
プリント基板の故障は、湿気や埃による腐食、電圧の不安定さ、経年劣化などが原因で起こる可能性があります。
プリント基板の修理や交換は、非常に繊細で専門的な作業が必要です。ご自身で修理しようとすると、さらに故障を悪化させてしまう可能性もあります。そのため、必ず専門業者に依頼するようにしましょう。
冷媒過充てん
エアコンには、適切な量の冷媒が充填されている必要があります。しかし、何らかの原因で冷媒が過剰に充填されてしまうことがあります。これを「冷媒過充てん」と言います。
冷媒過充てんは、エアコンの性能に悪影響を及ぼし、様々な問題を引き起こす可能性があります。
- 圧縮機への負担増加: 冷媒が多すぎると、圧縮機に大きな負担がかかり、故障の原因となる可能性があります。圧縮機はエアコンの心臓部なので、故障するとエアコン全体が動かなくなってしまいます。
- 冷暖房効率の低下: 冷媒過充てんにより、エアコンの冷暖房効率が低下し、電気代が高くなる可能性があります。
- 異音の発生: 冷媒が過剰に充填されると、エアコン内部で異音が発生することがあります。
- 配管の破損: 冷媒過充てんにより、エアコンの配管に過剰な圧力がかかり、破損する可能性があります。
冷媒過充てんは、エアコンの設置時や修理時のミス、または冷媒漏れを修理した際に、過剰に冷媒を補充してしまうことなどが原因で起こる可能性があります。
もし、エアコンの効きが悪い、異音がする、またはエラーコードが表示されるなどの症状が現れた場合は、冷媒過充てんの可能性も考えられます。
冷媒の量は、専門的な知識と機器を用いて測定する必要があります。そのため、ご自身で判断せず、必ず専門業者に点検を依頼してください。
専門業者に依頼することで、適切な量の冷媒に調整してもらい、エアコンの性能を正常に戻すことができます。
エラーが表示された原因の特定や修理は、専門的な知識や資格、技術がないと困難です。
エラーコードE4が出た時の対処法
E4エラーコードはユーザー側で対処できることはあまり多くありません。もし、E4が表示された場合は、以下の手順で対処しましょう。
- エアコンの電源を入れ直す:
一時的なエラーであれば、電源を入れ直すことで解消される場合があります。一度エアコンの電源を切り、数分待ってから再度電源を入れてみてください。 - エアコンの使用を中止する:
故障が悪化したり、他の部品に影響を及ぼしたりする可能性があるため、エアコンの使用はすぐに中止してください。 - 送風運転に切り替える:
エアコンの運転を停止した後、可能であれば送風運転に切り替えてください。これにより、圧縮機への負担を軽減することができます。 - 販売店またはダイキンに連絡する:
購入した販売店、またはダイキンのカスタマーサポートに連絡し、エラーコードE4が出たことを伝え、点検・修理を依頼してください。
E4エラーが出たら、まずリモコンに他のエラーコードが表示されていないか確認しましょう。複数のエラーが同時に発生している可能性もあります。また、エアコンからいつもと違う音がしていないかも確認してください。異音がする場合は、E4エラーとは別の原因で故障している可能性があります。 これらの確認事項は、修理業者に状況を伝える際にも役立ちます。
修理費用の相場
E4エラーの修理費用は、原因や交換部品によって異なりますが、一般的には数万円から10万円以上かかる場合があります。
- 室外機低圧圧力スイッチ・センサー: 1~2万円程度
- 電子膨張弁: 2~4万円程度
- 冷媒系統の修理(ガス漏れ・詰まり): 3~8万円程度
- 閉鎖弁: 2~3万円程度
- プリント基板: 5~10万円程度
- 圧縮機の交換:10万円以上
上記はあくまで目安であり、実際の修理費用は機種や状況によって異なる場合があります。
修理費用が高額になる場合もあるため、事前に複数の業者に見積もりを依頼し、比較検討することをおすすめします。また、修理費用だけでなく、出張費や部品代なども含めた総額を確認するようにしましょう。
修理と買い替えの検討
E4エラーは、部品の交換が必要になるなど、高額な修理費用が発生する可能性があります。
エアコンの寿命は一般的に10年程度と言われています。10年以上経過しているエアコンの場合、修理費用が高額になるだけでなく、修理後も他の部品が故障するリスクが高まります。そのため、10年以上経過しているエアコンでE4エラーが出た場合は、買い替えを検討することをおすすめします。
E4エラーは、エアコンの心臓部である圧縮機に過大な負担がかかっているサインです。放置すると、エアコンが完全に故障してしまう可能性もあります。早急に使用を中止し、専門業者に点検・修理を依頼しましょう。修理業者のアドバイスを参考に、状況に応じて適切な判断をしてください。
まとめ
この記事では、ダイキンのエアコンに表示されるエラーコード「E4」について解説しました。E4は室外機の低圧圧力異常を示すエラーで、放置するとエアコンが故障するリスクがあります。
E4エラーの原因は様々ですが、冷媒ガスの不足やセンサーの故障、冷媒系統の異常などが考えられます。
E4エラーが表示された場合は、エアコンの使用を中止し、販売店やダイキンに連絡して点検・修理を依頼しましょう。
エアコンが10年以上経過している場合は、買い替えを検討するのも一つの選択肢です。
ダイキンコンタクトセンターへの連絡方法
- 電話:0120-88-1081
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- 受付時間:24時間(年中無休)
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エアコン、もしかして故障…? そんな時は焦らずこの【5ステップ】!
~故障原因・修理可否を解説~
エアコンの調子が悪いと感じたら、まずは落ち着いて状況を把握しましょう。
電源が入らない、ランプが点滅する、異音がする、冷風が出ない、水が漏れる…など、具体的な症状は何でしょうか? 慌てずに、これからご説明する5つのステップに従って、一つずつ問題を解決していきましょう。
大手電機メーカーで培った知識と15年以上の経験を持つ、エアコンの故障診断のエキスパート、taichanが、あなたのエアコンのトラブル解決をサポートします。
ステップ1:状況確認 - どんな症状が出ているか把握しよう!
まずは、エアコンが完全に故障しているのか、それとも一時的な不具合なのかを確認しましょう。
具体的な症状を把握することが重要です。「冷えない」「異音がする」「水漏れする」「ランプが点滅している」など、どのような症状が出ているかを具体的に確認しましょう。
エアコンの型番や購入時期、保証期間なども確認しておくと、後のステップで役立ちます。 修理費用の概算額を把握するために、メーカーのお客様サポートに問い合わせてみましょう。
【メーカー別】お客様サポートの連絡先一覧
(↑クリックすると、主要メーカーのサポート窓口連絡先と修理費用相場、故障時の対処法などをまとめたページが開きます)
メーカーのサポート窓口に連絡し、症状を伝えてみましょう。
電話口でおおよその修理費用を教えてもらうことができる場合があります。
なお、ご自身のエアコンの不具合状況を詳しく知りたい方は、こちらの診断ツールを使ってみましょう。
>>エアコンの不具合状況を診断する(スマート診断ナビ)
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ステップ2:修理できる?できない?
エアコンの症状を把握したら、次は修理が可能かどうかを判断しましょう。
- 自分で判断できない場合は、専門家に相談!
エアコンの内部構造は複雑で、素人判断は危険です。メーカーのサポート窓口や信頼できる修理業者に相談し、正確な診断を仰ぎましょう。 - 修理不可の場合も…
エアコン本体の劣化や部品の供給終了など、修理ができないこともあります。また、修理費用が高額となる故障(コンプレッサーの故障など)の場合も、買い替えを検討する必要があります。
スマート診断ナビを使えば、使用年数や設置状況などから修理の可否を診断することができます。
エアコンが修理できるかどうか診断できるツールはこちら
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ステップ3:業者選びのポイント! 優良業者を見つけるコツ
修理または買い替えと決めたら、次はどの業者に依頼するか?が重要になります。
修理または買い替えを依頼する業者を選びましょう。 メーカーのサービスセンター、家電量販店、街の電気屋さんなど、様々な選択肢があります。それぞれの業者の特徴を理解した上で、実際に見積もりを取り、費用やサービス内容を比較しながら検討していきましょう。
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ステップ4:アフターサービス - 保証とメンテナンス
業者を決めたら、アフターサービスについても確認しておきましょう。
修理や買い替え後の保証期間やメンテナンスサービスの内容などを事前に確認しておくことで、安心してエアコンを使用することができます。
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>>延長保証サービスの内容を見る
(↑クリックすると、延長保証サービスの内容を確認できるページが開きます)
ステップ5:予防対策 - エアコンを長持ちさせるコツ
最後に、エアコンを長く快適に使うための予防対策について解説します。
エアコンの故障を予防するためには、定期的な清掃やメンテナンスが重要です。 フィルターの掃除や室外機周りの掃除などをこまめに行いましょう。清潔な状態に保ち、エアコンにかかる負担を軽減することで、エアコンの寿命を伸ばすことができます。
自分でできるエアコンメンテナンス方法はこちら
>>自分でできるエアコンメンテナンス方法
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最後に、エアコンのプロとして、一つだけアドバイスさせてください。
エアコンの調子が悪い時は、誰でも不安になるものです。 この記事で紹介した5つのステップを参考に、落ち着いて行動すれば、きっと快適な生活を取り戻せます。
約10年に一度訪れるエアコンの買い替えは、住環境を改善するチャンスでもあります。 日頃からどのような空気環境を作りたいかを考えておくことも大切です。
いざという時は、信頼できる業者に相談しましょう。 そして、困ったことがあれば、いつでもtaichanにご相談ください。
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