冬場、エアコンの暖房だけでは、頭がポッポするぐらい熱いのに、足元は冷たいままになってしまっていませんか?
暖かい空気は上の方に昇っていってしまう性質があるため、部屋の上のほうの温度が高くなり、部屋の下のほうの床面温度は低くなってしまいがちです。
今回は、エアコン暖房時の足元を温めるのに効果的なサーキュレーターの設置方法(天井設置)についてお話していきます。
この記事の監修者「taichan」
エアコンの困った解決!15年以上の実績を持つ空調のプロ「taichan」があなたの快適な暮らしをサポートします。大学院でヒートポンプの研究を行い、特許も複数取得。大手電機メーカー勤務後はエアコン取付修理の実務経験も積んでいます。エアコン選び、使い方、故障・トラブル、クリーニング、省エネまで、どんなお悩みにもお答えします。【保有資格】電気主任技術者、電気工事士、冷凍機械責任者など
暖房時のサーキュレーターは上方設置の下向きが基本
ホームセンターや家電量販店などに売られているサーキュレーターは、床置きタイプが基本なので、サーキュレーターを下に置いて、上向きに風を循環させるような使い方をしている人が多いと思います。
こちらのサイトでは、そのような床置きタイプのサーキュレーターを効率よく使う方法を検討されています。
シミュレーションしたのは次の4パターン。
Case1.サーキュレーターを置かない場合
Case2.エアコンからもっとも離れた壁際に置いて、真上に向かって風を送る場合
Case3.エアコンの真下に置いて、真上に向かって風を送る場合
Case4.エアコンの真下に置いて、壁に向かって風を送る場合さて、結果はどうなったのか。
結論からいうと、もっとも室温が上がったのは、”サーキュレーターをエアコンの真下に置いて、壁に向かって風を送った場合”でした。サーキュレーターを置かない場合と比較して、平均室温は3.5℃も上がっており、背の高さくらいまでの居住域の室温もやはり3.7℃上昇しています。
でも、実際これと同じようにサーキュレーターを設置してみても、なかなか思ったように暖かい空気が床の方まで降りてこず、足元が冷えたままになってしまうのが現状です。
では一体どうすれば良いか?
暖房時のサーキュレーターの暖房の時の正しい使い方は、部屋の上方にある暖かい空気を下に持ってくる、つまりサーキュレーターは部屋の上に取り付け、下向きに送風するのが効果的です。
床置きタイプのサーキュレーターは、床にある冷気を部屋の上方に届ける能力はありますが、その結果、部屋の上方にある暖気が下のほうまでしっかりと降りてきてはくれません。
考え方が逆なんですね。
暖房の時、暖かい空気があるのは部屋の上のほう。
なので、その空気を足元に届けてあげるために、サーキュレーターは部屋の上方に設置して、下向きに送風するようにしてあげてください。
上設置下向きサーキュレーターを取り付けたときの様子
今回取り付けたサーキュレーターは、リサイクルショップで購入したデスクファン(机の上に置いて使うもの、中古500円)です。
サーキュレーターというと結構大きめな物をイメージしがちですが、上設置下向きに取り付けることができれば、これぐらいの小さな能力ものでも十分に効果が期待できます。
取り付け方はとても簡単!
そのデスクファンの台座の部分に直接ビスを貫通させておき、後は目的の場所に取り付ければ完成です。
「たったこれだけで本当に天井にある暖かい空気が床の方まで降りてくるの?」って思うかもしれませんが、これだけでも本当に足元が暖かくなるんです。
サーキュレーターの効果を検証した結果
ここからは、実際にサーキュレーターの効果を検証した結果についてお話していきます。
まずはじめに、上方に設置したサーキュレーターの近くに温度センサー(上方)を取り付け、その真下辺りに温度センサー(下方)を取り付けました。
まず、冬の朝(1月下旬)の6:00AMにエアコンをONし、始めのうちはサーキュレーターはなし(電源OFF)のまま部屋の上下温度がどのように変化するか確認します。
次に、サーキュレーターのみON(送風の強さの設定は3段階の最弱)して、部屋の上下の温度差がどの程度縮まっていくかを検証していきます。
その実験結果がこちら。
最初の60分はサーキュレーターOFFの結果を表しています。
エアコンをONした直後から部屋の上部温度(青線)はどんどん上昇していくにも関わらず、部屋の下部温度(赤線)はなかなか上昇してきません。
その結果、緑色の線で示した上部と下部の温度差は最大で6℃にもなってしまいました。
我が家のキッチンの足元が冷える理由は、エアコン(撮影している人の頭の上辺りにある)の風がキッチンの足元には届かず、キッチンの上部だけが暖まっていたからのようです。
エアコンをONして60分後、サーキュレーターをONすると、部屋の上部温度は少し下がりはじめ、逆に部屋の床温度はぐっと上昇していきました。
その結果、サーキュレーターをONしてから約20分後には、部屋の上下の温度差は1℃以下になり、あの底冷えしていたキッチンの足元の温度も20℃前後まで上昇。
サーキュレーターとしての役割を十分果たしていることが分かりますね。
最後に一言
今回は、【暖房のサーキュレーター】効率良い配置は天井設置の下向送風についてお話しました。
今回のサーキュレータの設置効果は、実験結果を数値で捉えるだけでも「おぉ~、すごい!」と思うかもしれませんが、実際にその温度を体感してみると、その効果のすごさに驚かれます。
今までキッチンに経っていたら足先が冷たくなってしまっていたのが、このサーキュレーターを追加してからは足先がぽかぽかのままなので、キッチンにも小さなストーブを設置しようとも考えていたのですが、このサーキュレーターのおかげでその必要もなくなってしまいました。
しかも、送風設定は三段階の最弱なので送風音も静かです。
床置きのサーキュレーターを使ってもなかなか効果が出なかった人は、ぜひそのサーキュレーターを上方に設置し、下向きに送風してみてください。
驚くほど部屋の上下温度差が小さくなって、快適な暖房ライフを過ごすことができると思いますよ。
それでは!