エアコンをつけたのに、室外機から水が出ていない…これって故障?そんな不安を感じたことはありませんか? 実は、エアコンが正常に動いていても、水が出ないケースは意外と多いんです。
この記事では、エアコンから水が出ない原因と、自分でできる対処法まで詳しく解説します。
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▶ステップ1:状況確認
エアコンの水漏れについて故障診断を行います。
エアコンから水が漏れているのですね。まずはどこから水が漏れてくるのか教えて下さい。
エアコン室外機のドレンホース:その役割と水が出る仕組み
エアコンって水道につながってないのに、なんで室外機から水が出てくるの?って思ったことありませんか?
エアコンのドレンホースから水が出てくるのは、冷房や除湿運転時のみです。これは、エアコン内部で発生した結露水(空気中の水分が冷えて水滴になったもの)を排出するためです。
部屋の空気中の水分が、冷たいエアコンの内部で冷やされて水滴になります。この水滴が、ドレンホースという管を通って、室外に排出されるんです。
つまり、ドレンホースの役割は、室内機でできた結露水を室外に出すためのものなんです。ちなみに、暖房運転時は室内機に結露水が発生しなくなるめ、ドレンホースからの排水はありません。
室外機から水が出ない!考えられる5つの原因と対処法
エアコンのドレンホースから水が出てこなくなる原因は、大きく分けると5つのパターンが考えられます。
【原因1】エアコンが動いていないケース
エアコンは、リモコンが動作していても本体が故障して電源が入らないことがあります。この他に、エアコンの電源はついていて室内機の吹出口から風が出ているのに、室外機の方が故障して動かなくなってしまうこともあります。
自分でできる対処法
- まず、リモコンの電池を確認し、正常に動作するか確認しましょう。新しい電池に交換してみるのも良いかもしれません。
- 室内機の電源ランプが点灯するか確認しましょう。点灯しない場合は、電源プラグがコンセントに正しく差し込まれているか、ブレーカーが落ちていないかを確認しましょう。
- 室外機のファンとコンプレッサーが回っているか確認しましょう。室外機に近づき、ファンの回転音やコンプレッサーの動作音を確認しましょう。
エアコンの電源が入らない、室外機が動かない場合は、まずは自分でできる対処法を試してみましょう。それでも解決しない場合は、無理せず専門業者に点検を依頼するのが安心です。
【原因2】運転開始直後のケース
ドレンホースからの排水は、エアコンをONしてから通常20~30分後に始まります。エアコン動作直後はドレンホースからの排水がなくても故障ではないので、安心してください。
自分でできる対処法
エアコンをオンにしてから20~30分程度様子を見みてみましょう。その後も水が出ない場合は、他の原因を疑いましょう。
ドレンホースが長い(室内機から室外機までの距離が長い)場合は、エアコンを作動させてからしばらく待たないとドレンホースから水が出てきません。しばらく待ってみてください。
【原因3】室温が設定温度付近になっているケース
室温が設定温度付近になると、エアコンは部屋を冷やす必要がないと判断し、運転を停止します。 圧縮機が停止すると室内機内部にあるアルミフィンも冷えなくなるため、それに伴ってアルミフィンで発生する結露の量も少なくなります。
そのため、室温が設定温度付近まで下がってきた場合は室内機で発生する結露の量が少なくなり、ドレンホースから排出される水の量も少なくなります。
自分でできる対処法
エアコンの設定温度を下げて、20~30分後にドレンホースからの排水量が増えるか確認しましょう。排水量が増えない場合は、エアコンの故障が考えられるため、専門業者に点検を依頼しましょう。
エアコンの設定温度を低めに設定したにも関わらず室外機が動かない場合、エアコンの故障が考えられます。下記の記事を参考にしてみてください。
【原因4】冷媒ガス漏れてしまっているケース
ルームエアコンの配管内には、約1kgの冷媒ガス(エアコンを冷やすために使われるガス)が封入されています。配管の腐食や破損などによって冷媒ガスが漏れて少なくなってしまうと、冷房/除湿能力が小さくなります。
その結果、冷房運転をしているにも関わらず、ドレンホースから水が出て来ないという症状が発生します。
自分でできる対処法
冷媒ガスが漏れていると、エアコンが冷えにくくなるだけでなく、冷房運転中に室外機の配管が異常に冷え、白い霜が付着することがあります。
配管を確認し、霜がついていないか確認してみましょう。
冷媒ガス漏れは専門的な知識と技術が必要だから、自分で修理しようとせず、エアコンのメーカーや販売店、または専門業者に修理を依頼しましょう。 冷媒ガス漏れの原因や具体的な対処方法については、こちらの記事が参考になります。
【原因5】排水経路が詰まってしまっているケース
ドレンホースにゴミが詰まったり、ホースがたるんでいたりすると、水が出なくなることがあります。
水が出ない場合は、まずドレンホースの状態を確認してみましょう。詰まりやたるみを放置すると、室内機から水漏れを起こす原因になることもあるので注意が必要です。
本格的にドレンホースが詰まってしまった場合、行き場を失った水がエアコン室内機から漏れてくる可能性があります。
ドレンホースが詰まってしまった場合、エアコンの吹出口や本体底面などから、エアコンの動作中は、連続的にポタポタと水が漏れてくるのが特徴です。水漏れ量としては、完全にドレンホースが詰まってしまっている場合だと、1秒間に1~3滴程度、垂れて落ちてくることもあります。ドレンホースから水が出なくなり、その後室内機から水が漏れてきた場合は、ドレンホースなどの排水経路のつまりを疑っていきましょう。
自分でできる対処法
冷房運転を1時間程度行い、室内機から水が漏れてこないか確認しましょう。30分経っても水漏れがない場合は、ドレンホースの詰まりはないと考えられます。
室内機から水が漏れてくる場合は、専門業者に清掃を依頼しましょう。業者に依頼する際は、エアコンの機種や状態を伝えると、スムーズに対応してもらえます。
エアコンが壊れているかどうか自分でチェックする手順
エアコンが故障したかも?と思ったら、専門業者に依頼する前に、自分で簡単にチェックできる方法があります。
エアコンから水が出ない場合に故障かどうかチェックすべき内容は以下の2つです。
【手順1】応急運転ボタンでの起動
エアコンが正常に起動するかどうかを確認するために、「応急運転ボタン」を押してみましょう。
応急運転ボタンは、エアコン本体にある、通常は小さくて目立たないボタンで、リモコンを使わずにエアコンを起動できる機能です。
応急運転スイッチの使い方
ルームエアコンには「応急運転スイッチ」というものが室内機本体の下側や前面パネルを開いたところについていて、この応急運転スイッチを使えば、リモコンを使わずにエアコンを起動する事ができます。
- 取扱説明書をよく読み、応急運転ボタンの位置を確認します。
- ボタンが小さい穴に隠れている場合は、細い棒などを使って押します。
- 応急運転ボタンを押すと、エアコンが起動します。起動する運転モードや設定温度は、メーカーや機種によって異なります。
応急運転スイッチでエアコンが起動しない、または起動するがランプが点滅してすぐに止まる場合は、エアコンになにか不具合が発生している可能性があります。
【手順2】エアコンの風の温度差の測定
エアコンの調子がおかしいと感じたら、専門業者に依頼する前に、自分でできる簡単なチェック方法があります。それは、エアコンから吹き出す風の温度差を測ることです。
温度差で何がわかるの?
エアコンは、室内の空気を吸い込んで冷やし、それを吹き出すことで部屋の温度を調節しています。
正常に動作しているエアコンなら、吸込口と吹出口の温度には、ある程度の差があるはずです。
しかし、もしエアコン内部でガス漏れが起こっていたり、室外機が故障していたりすると、この温度差が小さくなってしまいます。
温度差を測ってみよう!
温度差を測る手順は以下の通りです。
- エアコンの設定
- 運転モードを「冷房」または「暖房」にします。
- 設定温度を冷房の場合は最低温度、暖房の場合は最高温度、風量は最大にします。
- 温度測定
- 吸込口(通常はエアコンの上部)と吹出口の温度を測ります。
- 温度計は、ホームセンターなどで2,000円程度で購入できます。
- 温度差の確認
- 測った温度の差を確認します。
正常な温度差の目安
- 冷房時:8~13℃
- 暖房時:16~23℃
もし、測った温度差が上記の目安よりも極端に小さい場合は、ガス漏れなどの故障が疑われます。
注意点
- 温度測定は、エアコンが安定して運転している状態で行いましょう。運転開始直後や停止直後は、正確な温度差が測れないことがあります。
- 温度計の種類や測定環境によって、多少の誤差が生じる場合があります。あくまで目安として考え、心配な場合は専門業者に相談しましょう。
自分でできることはここまでです。上記の内容はあくまで簡易的な判断基準となりますので、正確な故障診断は専門業者に依頼しましょう。
エアコンの疑問を解消!プロが答えるQ&A
- Qエアコンから冷たい風が出ず、ドレンホースからも水が出ていないのですが、故障でしょうか?
- A
お部屋が冷えていれば、故障ではありません。ドレンホースから出る水は、室内の空気中の水分が冷やされてできた結露水です。部屋の温度や湿度によって、結露水の量は変化するため、エアコンが動いていても水が出ない場合があります。
taichan設定温度を低くしてもドレンホースから水が出てこない場合は、故障の可能性があります。エアコンのメーカーや販売店、または専門業者に相談することをおすすめします。
- Qどうしてエアコンのドレンホースから水が出てくるのですか?
- A
エアコンは冷房や除湿運転を行う際、室内機の内部にあるアルミフィン熱交換器は冷媒ガスによってキンキンに冷やされます。
エアコンの室内機は部屋の熱い空気を吸い込んで、その冷えたアルミフィンの隙間を通過させることにより空気を冷やしています。
部屋の空気はアルミフィンを通過する際、その冷えたえたアルミフィンに触れることで空気中の水分がアルミフィンに結露して付着します。
これはちょうど夏場に氷を入れたガラスのコップの表面に水滴がつくのと同じ原理となっています。
アルミフィンに付着した水分はフィンをつたって下に流れていき、アルミフィンの下にあるドレンパン(露受皿)に落ち、最終的にはドレンホースを通って室外に排出されます。
taichan真夏日に冷房運転を行った場合、一日あたり数リットルから十数リットルもの結露水が発生しています。
- Q春や秋など、涼しい時期にエアコンを使っても、室外機からあまり水が出てこないのですが、なぜでしょうか?
- A
涼しい時期は、室温が設定温度に達しやすく、エアコンの運転が停止する時間が長くなります。そのため、結露水の発生量が少なくなり、ドレンホースから水が出ないことがあります。
taichanエアコンは、室温が設定温度に達すると、自動的に運転を停止します。そのため、涼しい時期は、エアコンが頻繁に停止し、結露水の発生量が少なくなるため、水が出ないことがあります。
まとめ
エアコンの室外機から水が出ない原因は様々ですが、この記事で紹介した5つの原因と対処法を参考に、まずは自分で確認できることを試してみましょう。
水が出ない原因の可能性と確認ポイント
- 運転開始直後:エアコンをオンにしてから20~30分程度経っても水が出ないか確認
- 室温が設定温度付近:エアコンの設定温度を下げて、排水量が増えるか確認
- 冷媒ガス漏れ:エアコンの冷え具合や室外機の配管に霜がついていないか確認
- エアコンが動いていない:リモコンの電池や電源、室外機の動作を確認
- 排水経路の詰まり:ドレンホースの状態を確認し、詰まりやたるみを解消
これらの対処法を試しても水が出ない場合や、自分で対処するのが難しい場合は、無理せず専門業者に相談することをおすすめします。
エアコンのトラブルを早期に解決し、快適安心な生活を取り戻しましょう!