東芝(大清快)

【東芝エアコン】エラーコード「04」の原因と修理方法


東芝エアコンエラーコード04

東芝ルームエアコンのエラーコード「04」は、室外機から送られてくるシリアル信号に異常(運転開始直後より)があることを示すシステムエラーです。

このエラーコードが表示された場合に予想される不具合は以下の通りとなります。

  • 室内プリント基板の不具合
  • 室外プリント基板の不具合
  • 内外連絡線の配線接続の不具合
  • 室外基盤ヒューズの不具合
  • 冷媒ガス漏れ(圧縮機サーモ動作)

具体的な復旧方法としては、不具合が発生している部品の交換やガス漏れ修理などとなります。

今回は、東芝ルームエアコンでエラーコード04が表示された場合の具体的な対処法について、詳しくお話していきます。

エアコンの機種や年式によって不具合への対処法が変わってくる場合があります。この記事の内容はあくまで参考程度とし、正確な情報についてはメーカーサポートにお問い合わせください。
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プロフィール

この記事の監修者「taichan」


エアコンの困った解決!15年以上の実績を持つ空調のプロ「taichan」があなたの快適な暮らしをサポートします。大学院でヒートポンプの研究を行い、特許も複数取得。大手電機メーカー勤務後はエアコン取付修理の実務経験も積んでいます。エアコン選び、使い方、故障・トラブル、クリーニング、省エネまで、どんなお悩みにもお答えします。【保有資格】電気主任技術者、電気工事士、冷凍機械責任者など


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不具合箇所の特定方法

エアコンのエラーコードは大まかな不具合箇所を示しているだけとなっていますので、まずはエラーコードの内容を参考に消去法で不具合箇所を特定していくことからはじめていきます。

以下に不具合箇所の特定するための大まかな流れをまとめておきますので、サーッと目を通しておきましょう。

項目不具合の内容確認内容主な修理方法
①内外連絡線の配線
接続の不具合
・配線の各種異常・配線接続部の確認
・導通確認
・絶縁抵抗測定
・配線修復、交換
②室外基盤ヒューズ
の不具合
・ヒューズ(25、15A)や
温度ヒューズの溶断
・ヒューズの導通確認・部品交換
③圧縮機サーモ
の不具合
・冷媒ガス不足
(冷媒ガス漏れ)
・配管の詰まり
・運転時のガス圧測定
・配管の霜発生箇所の観察
・手動による弁の開閉チェック
・ガス漏れ修理
・部品交換
④室外プリント基板
の不具合
・電源の異常
・基盤の異常
・電源配線の電圧測定
・コネクタの状態確認
・室内渡り線コネクタの
リターンシリアル確認
・配線修復、交換
・室外プリント基盤
⑤室内プリント基板
の不具合
・電源の異常
・基盤の異常
・送風運転の動作確認
・室内機ファンコネクタ
の抜差確認
・室内プリント基板の
交換

エアコン修理における不具合原因の特定方法は、消去法で異常箇所を探っていくのが基本的なやり方となります。

東芝エアコンの04エラーの原因の多くは室外プリント基板の故障となっていますので、ほとんどの場合はその基盤を交換すれば修理が完了することになります。

ただし、稀にそれ以外の部分が原因で故障している場合もありますので、少々手間がかかってしまいますが全ての故障原因を頭に入れつつ、最適な手順で原因特定と部品交換していくことが大切です。

分解を伴うエアコン修理は怪我や感電などの恐れがありますので、専門業者や有資格者に修理を依頼するようにしてください。

【検証項目①】内外連絡線の配線接続の不具合

東芝エアコンの04エラーは、室内機と室外機をつなぐ配線に異常が発生した場合に表示されることがあります。

配線や室内機と室外機の配線接続部に断線や漏電、接続不良などの異常がないか下記手順で確認していきます。

  1. 誤配線の確認
  2. テスターで室内機と室外機をつなぐ各配線の導通確認
  3. 絶縁抵抗計で室内機と室外機をつなぐ各配線間の絶縁抵抗を測定
  4. 配線接続部の状態を確認

いずれかの項目に不具合があった場合はそれがU4エラーの原因となりますので、原因に合わせた修理を行い作業完了となります。

雨の日にだけ04エラーというケースは配線間の漏電(絶縁不良)が原因と考えられます。屋内配線の場合でも、害獣(ねずみなど)にかじられて断線や漏電していることもあります。絶縁抵抗測定時に他より少しでも抵抗値の低い配線があった場合は配線交換による修理を検討してください。

【検証項目②】各ヒューズの不具合

東芝エアコンの04エラーは、室外基盤内のヒューズ(25、15A)や温度ヒューズの溶断などが原因で表示されることがあります。

まず、室外基盤内にある25A(電源)や15A(インバータ)のヒューズが切れていないか目視確認します。

そして、温度ヒューズは目視確認できませんのでテスターなどで溶断していないか導通確認していきます。

いずれかのヒューズに不具合があった場合は回路チェック(スタッグダイオードなど)を行いヒューズが切れた原因を特定していきます。

異常箇所に応じて、ヒューズ交換または基盤交換理を行い作業完了となります。

【検証項目③】圧縮機サーモの不具合

東芝エアコンの04エラーは、冷媒回路の不具合(ガス漏れ)の影響によって圧縮機が高温になってしまった場合に表示されることがあります。

エアコンの圧縮機は吸い込んだ低圧低温の冷媒ガスで本体を冷やしながら冷媒を圧縮する仕事をする仕組みになっているため、冷媒ガスが漏れ出してしまった場合、圧縮機は動き続けるものの冷やすやめの冷媒が流れてこず、本体温度が上がってしまって圧縮機に取り付けられているサーモスタットが働くことがあります。

冷媒ガスが漏れてしまっているか確認する方法としては、一旦、エアコン本体リセット復旧(電源コードの抜き差し)し、エアコン始動から定常運転まで間の室内機の吸込みと吹きだしの温度差がほとんどない、チャージポートで測定したガス圧がずっと低いまま、配管に霜がついているというような場合は冷媒ガス不足が考えられます。

また、エアコンが東芝エアコンの場合、エラーコード04(運転開始時よりシリアル信号異常)、07(運転途中からシリアル信号異常)を確認することで、圧縮機サーモによる不具合の状態を確認することができます。

圧縮機サーモ不具合によるエラーコード表示例

  1. 試運転開始
  2. 運転開始後(約10~30分)で07エラー表示
  3. 本体リセット
  4. 試運転開始直後に04エラー表示
  5. 本体リセットし、しばらく放置して圧縮機を冷やす
  6. 試運転開始
  7. 運転開始後(約10~30分)で07エラー表示

上記のような場合、圧縮機サーモが働いたことでエラーが表示されるということがわかってきます。

このように、エラー表示の原因が冷媒ガス不足の可能性が高まった場合、ガス漏れ箇所を調査していきます。

主な冷媒ガス漏れ箇所

  • フレア接続部(標準取付施工)
  • ユニオン継手部(更新時の配管延長など)
  • 室内熱交換器
  • 室外熱交換器
  • 圧縮機

冷媒ガス漏れで多いのは銅配管のフレア接続部で、特にユニオン継ぎ手などを使って配管を延長しているような場合、この部分から冷媒が漏れることもあります。

このようなフレア接続部からのガス漏れの場合は、接続部の再施工によってガス漏れ修理を行い、その後真空引き、ガスチャージという流れで修理を行っていきます。

この他、室内機および室外機内部の熱交換機、圧縮機から冷媒が漏れることが稀にありますので、継手部からのガス漏れがない場合はこういった部分も確認していく必要があります。

室内機側の場合は初期不良のケース多く、室外機側は経年劣化によって配管が腐食しガス漏れにつながるケースが多い印象です。

この際、吸引式のガス漏れ検知器(ガス漏れ箇所があると音と光で分かる)を利用するとガス漏れ箇所を特定しやすいでしょう。

具体的な修理方法はエアコンを分解してガス漏れ部品(熱交換機)を交換して再組み立てし、真空引き、ガスチャージという流れでの修理となります。

圧縮機からのガス漏れの場合は、圧縮機の取替のためにロウ付けをしなければなりませんので、室外機の持ち帰り修理となることもあります。

ガス漏れ修理、ガスチャージが終わった後に、エアコンを試運転しエラーコードが表示されなくなれば修理は完了となります。

冷媒回路の故障(初期不良など)については購入から5年以内はメーカー保証(無償修理)で対応できる場合があります。

【検証項目④】室外プリント基板の不具合

東芝エアコンの04エラーは、室外機にあるプリント基板に異常が発生した場合に表示されることがあります。

室外プリント基板に電気が来ているか、コネクタの接続は正常かといったことを下記手順で確認していきます。

  1. 電源配線の電圧測定
  2. コネクタの状態確認
  3. 室内機渡り線シリアル信号の確認

まず、1,2の確認を行い、基盤に電気が来ていること、コネクタ部の接続が正常であることを確認します。

次に、エアコンを再始動し、運転中に室内機の渡り線(2,3)にシリアル信号がちゃんと来ているか確認していきます。

渡り線(内外連絡線)の導通確認は検証項目①のところですでに行っていますので、ここで室外機から信号が返って来ないなどの異常がある場合は、室外機基盤の不具合がエラー表示の原因であると考えられます。

この場合、プリント基板単体の部品交換を行い、エラーが復旧するかどうか検証していきます。

上記を交換しても不具合が解消されない場合、室内機のプリント基板の不具合が原因となっていることが考えられます。

稀に、室外ファンモータが故障することによって室外プリン基板の方も故障してしまうことがあります。室外基盤の故障を疑う場合は先にファンモータの方に異常がないか確認します。ただし、室外ファンモータの故障診断は現場でのベアリングのガタツキや巻線抵抗値の測定だけで確定できない場合もありますので、その場合は上記のようにファンモータ交換によるエラー復旧検証を先に行って様子を見るか、次項で説明するプリント基板と同時ににファンモータも交換するという流れにするか、修理の予算や納期などを総合的に考えながら判断していく必要があります。

【検証項目⑤】室内プリント基板の不具合

滅多に無いケースですが、東芝エアコンの04エラーは室内機にあるプリント基板に異常が発生した場合に表示されることがあります。

室内機のプリント基板の不具合については、送風運転など室外機との通信を必要としない機能が正常に動くかといったことを下記手順で確認していきます。

  1. 送風運転の動作確認
  2. 室内機渡り線シリアル信号の確認

まず、リモコンなどを使ってエアコンの送風運転を起動し、風量やルーバーの調整、タイマー運転などが正常に行われるか確認します。

この時点で動作に不具合があった場合は室内プリント基板の不具合の可能性が高くなりますので、室内機のプリント基板の交換を行っていきます。

1で異常がない場合、エアコン動作中の室内機側の渡り線コネクタのシリアル信号があるかどうか確認していきます。

ここで室外機の方からシリアル信号が送られてきている場合、不具合の原因は室内機側の基盤にある可能性が高まります。

この場合、室内プリント基板を交換し、エアコンを復旧してエラー表示が消えることを確認していきます。

04エラーで室内プリント基板交換まで至るケースは滅多にありませんが、1の送風運転などによる室内プリント基板の故障診断が正常でも、最終的に室内機のプリント基板の不具合が原因となっているケースもあります。最悪ここまで修理工程が長引くことも視野に入れて作業を進めていく必要があります。

まとめ

今回は、【東芝エアコン】エラーコード「04」の原因と修理方法についてお話しました。

東芝エアコンの04エラーの原因は部品の故障やガス漏れなどの不具合が原因となっていることがほとんどなります。

基本的には本格的な修理が必要となってきますので、早めに修理依頼をしていきましょう。

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