急にエアコンから水が漏れてきた場合、本当にびっくりしてしまいますよね。
エアコンの水漏れ修理費用については、エアコン水漏れの約8割はドレンホースの詰まりが原因となっているため、実際の修理費用は7,000~15,000円程度となります。
この他に、冷媒ガス漏れや冷媒会の故障、エアコン内部のパーツ(ドレンパンなど)破損などが原因となっている場合もあり、そういった場合は修理代金が20,000~60,000円になることもありますが、それは稀なケースだと思ってもらって結構です。
このエアコンの水漏れは、熱帯夜が続くような真夏日に発生することが多い故障症状となっているため、すぐにでも修理してもらってまたエアコンを使えるようにしたいと思っているのではないでしょうか。
今回は、そんなエアコン水漏れの原因別の修理費用の相場や修理予約で混み合う夏場に少しでも早くエコンを修理して貰う方法などについて、詳しくお話していきます。
この記事の監修者「taichan」
エアコンの困った解決!15年以上の実績を持つ空調のプロ「taichan」があなたの快適な暮らしをサポートします。大学院でヒートポンプの研究を行い、特許も複数取得。大手電機メーカー勤務後はエアコン取付修理の実務経験も積んでいます。エアコン選び、使い方、故障・トラブル、クリーニング、省エネまで、どんなお悩みにもお答えします。【保有資格】電気主任技術者、電気工事士、冷凍機械責任者など
エアコンから水漏れる原因と修理方法の具体例
エアコン水漏れの修理費用は、何が原因で、どのような修理が必要になるかということで大きく料金が変わってきます。
以下に主なエアコン水漏れの原因と修理料金の相場、業社が行う具体的な修理の内容について紹介していきます。
- ドレンホースの詰まりが原因(←エアコン水漏れの約8割がこの原因)
- ドレンパンの詰まりが原因
- エアコン内部の汚れが原因
- 冷媒ガス漏れが原因
- その他の原因(雨漏り、室内機の傾き、ドレン配管の逆勾配、ドレン接続部の不良など)
ドレンホースの詰まりが原因の水漏れ
エアコンの室内機の中にはアルミフィン熱交換器という部品があり、この部分は冷房や除湿、ドライ運転でキンキンに冷えて冷たくなるため、大量の結露水が発生してしまいます。
この部分で発生した結露水はドレンパンというパーツで受け止められた後、ドレンホースを通って室外に排出される構造になっています。
夏場、屋外に設置されている室外機あたりのドレンホースの先端からポタポタと出てきている水は、室外機で発生したものではなく、室内機の方で発生した結露水ということになります。
真夏日にルームエアコンで冷房運転を行った場合、一日あたり数リットルから十数リットルもの結露水がドレンホースから排出されています。
何らかの原因でこの排水経路が詰まってしまった場合、行き場を失った結露水がドレンパンから溢れ、エアコンからの水漏れを引き起こします。
ドレンホースが詰まった場合のエアコン水漏れの症状としては、室内機の底面や吹出口、エアコンが取り付けられている壁のあたりからかなりの量の水が漏れてくるのが特徴です。
このドレンホースの詰まりによる水漏れ修理の方法は、サクションポンプ(手動式の真空ポンプ)を使ってドレンホース内の詰まりを取り出すという方法が一般的となります。
室外側のドレンホースの先端にサクションポンプを差し込み、勢いよくレバーを引っ張ることでドレンホースで詰まっている汚れや水分を一気に吸い出します。
エアコン水漏れ故障の約8割はこのサクションポンプを使った修理方法で解消することができ、この場合の修理費用は7,000~15,000円程度が相場となります。
ドレンホースの詰まりが原因の水漏れ修理は、一般的なエアコン修理業者だけではなく、エアコンクリーニング業者でも対応可能な場合もあるのが特徴となります。
ドレンパンの詰まりが原因の水漏れ
先程はドレンホース部分での詰まりによる水漏れについてお話しましたが、次は更にその上流部にあるドレンパンというパーツでの水漏れが原因の場合についてお話していきます。
ドレンパン(ドレン皿)は、エアコンの室内機の中のアルミフィン熱交換器の下に取り付けられている部品で、アルミフィンから落ちてくる結露水を受け止めてドレンホースに流し込む役割をしています。
ドレンパンには結露水だけではなくアルミフィンに付着したホコリやカビ汚れも流れ込んできたりするため、ドレンパン上でそういった汚れを餌に微生物が大量発生しスライム状の汚物が溜まってしまいます。
何らかの理由でそういったものがドレンパン出口部で詰まってしまうと、アルミフィンで発生した結露水が行き場をなくしてしまってドレンパンから溢れ出し、エアコン水漏れを引き起こしてしまいます。
この場合のエアコン水漏れの症状は先程のドレンホース詰まりの場合と同じで、室内機の底面や吹出口、エアコンが取り付けられている壁のあたりからかなりの量の水が漏れてくるのが特徴です。
ドレンホースの詰まりと同様にサクションポンプでこの詰まりが解消できれば良いのですが、場合によってはエアコンを分解してドレンパンを取り出し、パーツ洗浄しないと水漏れが解消しないこともあります。
このようなドレンパン詰まりが原因でエアコンの分解とパーツ洗浄の作業が必要となる場合の水漏れ修理の費用は、15,000~30,000円程度が相場となります。
エアコン内部の汚れが原因の水漏れ
エアコンを取り付けてから3~5年が経過してくると、エアコン内部のアルミフィンや送風ファン、エアコン内部の壁面などに汚れが溜まってきます。
エアコンは新品時のような清潔な状態だと熱交換器で発生した結露水がちゃんとドレンパンに落ち、それがドレンホースに流れて室外に排出されていくため水漏れを起こすことはありません。
ですが、エアコン内部に汚れが溜まってくると、エアコン内壁面温度などが下がってしまって通常は乾燥しているような場所で結露水が発生して漏れてきたり、汚れのせいでエアコン内を流れる風の流れが乱れて結露水の一部がその風にのって吹出口から飛んできたりすることがあります。
こういったエアコン内部に蓄積した汚れが原因の水漏れの症状としては、毎回必ずではなく、たまに吹出口から水滴が少量だけ垂れてきたり、吹出口からたまに水滴が飛んできたりします。
このエアコン内部の汚れが原因の水漏れは、一般的なエアコンクリーニングを行うことによって解消することが多いです。
エアコン内部の汚れが原因のエアコン水漏れの修理費用の相場は10,000~20,000円となります。
この場合の修理の依頼先は、一般的なエアコン修理業者だけではなく、エアコンクリーニング業者でも対応可能となります。
ガス漏れが原因の場合の水漏れ
エアコンの室内機と室外機をつなぐ銅配管の中には、冷媒ガスと呼ばれるものが高圧で充填されています。
この冷媒ガスがエアコン内部のアルミフィン熱交換器の中を流れることによって部屋の空気を冷やすというメカニズムで動作しています。
何らかの原因でこの冷媒ガスが配管から待機中に漏れ出してしまうと室内機の中にあるアルミフィン熱交換器が異常に冷やされてしまい、通常では結露が発生しない部分で結露が発生し、その水がエアコンから漏れてきてしまいます。
この冷媒ガス漏れによる水漏れの症状としては、先程のエアコン内部の汚れのパターンと同じく、吹出口やルーバー辺りから水が少量垂れてきたり、吹出口から水が飛んできたりします。
エアコン内部の汚れが原因の場合と水漏れ症状が似ているため、ガス漏れが原因であるかどうか判断するために以下の部分を調べることが必要となります。
冷媒ガスの低圧圧力の測定(圧力が低ければガス漏れと判断)
室内機の吸込口と吹出口の温度差をチェック
室外機の配管露出部の着氷有無をチェック
冷媒ガス圧の測定はゲージマニホールドと呼ばれる専用工具が必要ですが、エアコンの吸込み吹き出し温度の測定や冷媒配管の着氷の有無は自分でも確認することができるでしょう。
また、最近エアコンの冷えが悪くなってきていたという場合も、この冷媒ガス漏れがエアコン水漏れを引き起こしたと考えられます。
冷媒ガス漏れが原因の場合、ガス漏れ箇所の修復と冷媒ガスの再充填による修理を行います。
水漏れの原因がガス漏れだった場合の修理費用の相場は、おおよそ15,000~30,000円程度となります。
冷媒ガス漏れ修理の依頼先は、メーカーサポートやエアコン修理業者などとなります。
冷媒ガス漏れによる水漏れはこれまで紹介したものと違って、エアコンクリーニング業者では対応できないことに注意が必要です。
上記以外のことが原因の水漏れ
この他のエアコン水漏れを引き起こす原因は以下のとおりです。
- 雨漏り(コーキング部や劣化した配管断熱材からの侵入、室外機の屋根置きや軒下吊り下げに多い)
- 室内機の傾き(室内機が傾くとドレンパンから水が漏れることがある)
- ドレンホースの逆勾配(ドレンホースの勾配が逆になると排水ができなくなる)
- ドレンホースの破損(ネズミなど害獣などによって室内設置のドレンホースが破られるなど)
- 室内外の気圧差による水の逆流(高気密住宅で窓を締め切って換気扇を回した場合など)
ただし、これらは本当に稀なケースとなります。
どうしても水漏れ原因がわからない場合はこういったところまで調べていく必要がありますので、ご参考まで。
まとめ
今回は、【7,000円~】エアコン水漏れの修理費用の相場についてお話しました。
エアコン水漏れ原因の約8割を占めるドレンホースの詰まりは、7,000~15,000円程度で修理してもらうことが可能です。
ただし、稀なケースとして、冷媒ガス漏れや冷媒会の故障、エアコン内部のパーツ(ドレンパンなど)破損などが原因となっている場合もあり、そういった場合は修理代金が20,000~60,000円になることもあります。
エアコンは真夏日が続くような夏場によく壊れてしまいます。
実際に問合せてみてもらうと分かる通り、夏場のエアコン修理は予約の取り合い状態になっていて、1日予約する日が遅れてしまうと修理の予約日が3~4日遅れていってしまいます。
早くエアコンを直してもらいたい場合は、最低でも2~3社ほどエアコン修理の問い合わせを行い、一番はやく対応してくれる業社を見つけ出す努力が必要です。
あの快適なエアコンライフを取り戻すため、まずは修理業者に「いつ来てもらうことができるか?」ということを問い合わせることからはじめていきましょう。