急に日立のエアコン(白くまくんなど)が動かなくなってしまった時、どうすればいいのか分からず困ってしまうと思います。
ただ、エアコンの調子が悪いのはちょっとしたことが原因で本格的な故障ではないこともありますので、慌てて修理を依頼する前にチェックしておきたいポイントがいくつかあります。
今回は、エアコン修理を依頼する前に確認しておきたいチェックポイントや故障症状や原因、修理費用の相場などについて詳しくお話ししていきます。
日立製エアコン故障の主な症状
まずはじめに、日立製のエアコンが故障する時によく見られる症状についてお話していきます。
エアコンの調子が悪くなったと思った場合、まず以下の症状に当てはまるかどうか確認していってください。
冷風(温風)が出ない
エアコンの電源を入れて冷房運転や暖房運転を行っているにも関わらず、エアコンから冷風(温風)が出てこない、または生ぬるい風しか出てこなという場合、エアコンの故障が考えられます。
特に、室外機の配管に霜(氷)が付いていたり、エアコン室内機の吸込温度と吹出温度の差が極端に小さい場合は、冷媒ガス漏れなどの原因が考えられます。
リモコンが効かない(電源が入らない)
リモコンを操作してもエアコンが動かない場合、エアコンコンセントに電気がきていないか、リモコンまたはエアコン本体が故障してしまっている可能性があります。
リモコン本体の故障については、デジカメやスマホでリモコンの先端についている赤外線ランプがちゃんと点滅しているかどうかで判断できます。
リモコンが正常に作動している場合は、エアコン本体が故障している可能性が高いでしょう。
室内機のランプが点滅している
日立製のエアコンの電源ランプの点滅は、エアコン不具合の内容をお知らせするサイン(エラーコード)となっています。
本体ランプの点滅状態やリモコンを使ってエラーコードを読み取る(後ほど説明)ことで、不具合の原因が何なのかを調べて修理費用がどれくらいかかってしまいそうか診断することができます。
水漏れ
エアコンからの水漏れは、排水経路の詰まりや冷媒ガス漏れ、施工不良、雨漏りなどが原因で発生します。
室内機の吹き出し口や背面あたりから漏れたり飛んできたりする水は空気中の水分が結露したものですので、冷媒ガスや圧縮機油などではありません。
ルームエアコンの場合、水漏れを起こしてもエラー停止することはありませんが、水が漏れしたまま使い続けると床や壁などを傷めてしまいますので、早めに修理していく必要があります。
本体リセットの方法
日立エアコンの場合、ちょっとしたことが原因でエラー停止したり、効きが悪くなってしまったりします。
本体リセットを行えば復旧する可能性もありますので、一度以下の手順でエアコン本体をリセットしてみて下さい。
【SETP1】エアコンをOFFにする
エアコンが動いている場合はリモコンでエアコンの電源をOFFします。
電源ランプが点滅して既にエアコンの動作が停止してしまっているような場合は、そのまま次のステップに進んでください。
【STEP2】室内機の電源コードを抜く
次に、エアコンの電源コードを抜きます。
電源プラグが高いところで抜き差ししにくい場合などは、分電盤の中にあるエアコン回路のブレーカーを落としてもOKです。
ルームエアコンの場合、電源は室内機側のコンセントのみとなっていますので、ここまで作業ができたらエアコンに流れる電気は遮断できたことになります。
【STEP3】1分後に電源を入れ直す
エアコンの電源を落としてから1分後にコンセント(ブレーカー)を入れ直し、エアコンを再起動してみましょう。
ルームエアコンの場合、電源コンセントは室内機のところに一箇所しかないため、この操作を行うことで、室内機だけではなく室外機の方も同時にリセットすることができます。
この状態で再びエアコンが停止(電源ランプが点滅)してしまった場合、エアコンに少し症状の重い不具合が発生している可能性があります。
応急運転による動作確認方法
日立(白くまくんなど)のエアコンには前面パネルを開いたところや本体の右下あたりに応急運転ボタン(電源ボタン)がついています。
ちょっとした不具合の場合、この応急運転スイッチで起動すればエアコンを一時的に復旧する事ができる場合があります。
具体的な操作方法については説明書を御覧いただきたいのですが、日立製のルームエアコンの場合、以下のような手順で強制起動することができます。
- 室内機の右下の方にある自動運転スイッチを押す
- 応急運転が開始される
- 再度、自動運転スイッチを押す
- エアコンが停止する
日立製エアコンの応急運転は室温や外気温によって自動的に最適な運転モードが選ばれる仕組みになっているため、夏場の場合は冷房運転で、冬場の場合は暖房運転で起動します。
この応急運転でエアコンが正常に動いた場合、エアコンのメインとなる冷房や暖房機能は故障していないということを確認することができます。
なお、途中でエアコンが停止し、室内機のランプが点滅し始めた場合は、エアコンが故障してしまっている可能性が高いといえます。
エラーコードの読み取り方
日立のエアコンは、エアコンが止まってしまった原因を示すエラーコードを室内機の各種ランプの点滅パターンから読み取ることができます。
「タイマーランプ」が点滅した場合
日立製のエアコンの場合、タイマーランプの点滅はエアコン本体(室内機または室外機のどちらか)で異常が発生していることを示しています。
タイマーランプの点滅回数毎にエラーの内容が異なりますので、以下の一覧表を参考にエラーの原因を確認してみてください。
点滅回数 | 不具合内容 | 処置及び交換部品 |
1回 | 四方弁(冷暖切替バルブ)の不具合を検知。 室外基盤、冷却回路の電磁弁コイル類、 サーミスタ(温度検知部品)なども要確認。 | 不良箇所に応じて部品交換 (室外基盤、コイル、サーミスタなど) または冷媒回路を修理。 |
2回 | 強制冷房運転中を示す。 応急運転ボタンによる電源OFF、 または電源抜き挿しによる 本体リセットで改善しなければ、 室内基盤不良の可能性あり。 | 不良の場合は室内基盤を交換。 |
3回 | 室内外通信の異常。 端子台(温度フューズ)、 室内基盤、モーター、 掃除ユニットなどの 不具合の可能性あり。 | ケーブル接続などを確認。 不具合内容に応じて端子台、 Fケーブル、室内基盤などを交換。 |
4回 | 室外機(室外基盤、圧縮機、 室外ファンモーターなど) の不具合の可能性あり。 | 不良箇所に応じて部品交換 (室外基盤、コイル、サーミスタなど) または冷媒回路を修理。 |
5回 | 室外基盤(パワーリレー接点溶着など) の不具合、または室内機DC ファンモーター異常の可能性あり。 | 室内制御基板を交換。 |
9回 | 室内温度センサー(サーミスタ)、 または室内基盤の不具合の可能性あり。 | コネクタ接続確認後、 サーミスタ(室温、熱交温度センサー) を交換。 |
10回 | 室内基盤、室内ファンモーター の不具合(回転異常、過電流など) の可能性あり。 | 室内ファンモーターの回転チェックや コネクタ接続確認後、ファンモータを 交換。 |
11回 | 室内基盤、またはイオンユニットなどに 不具合の可能性あり。 | コネクタ接続確認後、室内基盤や イオンユニットを交換。 |
12回 | 室内外基盤や室内ファンモーターに 関する通信関連の不具合の可能性あり。 | Fケーブル確認後、不具合に応じて 各種部品を交換または冷媒回路を修理。 |
13回 | 室内基盤に不具合 (データ読み取り異常)の 可能性あり。 | 室内制御基板を交換。 |
21回 | 室内外基盤に不具合または、 他の家電製品による通信障害の 可能性あり。 | 動作を邪魔する家電製品を特定し対策。 基盤故障の場合は交換修理。 |
「除湿ランプ」または「見張りランプ」が点滅した場合
日立製のエアコンの場合、除湿ランプや見張りランプは主にエアコン室外機の方で異常が発生している場合に点滅する仕様になっています。
具体的なエラーの内容については、ランプの点滅回数で判断することができますので、以下の一覧表を参考にエラーの原因を確認してみてください。
タイマーランプ (見張りランプ) 点滅回数 | 不具合内容 |
2回 | 室外基盤またはコンプレッサーに 異常(ピーク電流カット)が発生した 可能性あり。 |
3回 | 室外基盤またはコンプレッサーに 異常(低速回転)が発生した 可能性あり。 |
4回 | 室外基盤またはコンプレッサーに 異常(切替失敗)が発生した 可能性あり。 |
5回 | 室外基盤またはコンプレッサーに 異常(過負荷下限カット)が発生した 可能性あり。 室外機の風周りを遮る物を避ける、 直射日光を遮る工夫をする、 室内外機のフィルターや エアコンクリーニングを行う ことより改善する可能性あり。 |
6回 | 室外基盤、コンプレッサー、 サーミスタに異常(OH温度上昇異常)が 発生した可能性あり。 |
7回 | 室外温度センサー(サーミスタ)の 不具合の可能性あり。 |
8回 | 室外基盤またはコンプレッサーに 異常(増速不良)が発生した 可能性あり。 |
9回 | 室外基盤に不具合(通信エラー)の 可能性あり。 |
12回 | 室外基盤または室外ファンモーターに 不具合(室外ファンロック)の可能性あり。 |
13回 | 室外基盤に不具合(データ読み取り異常)の 可能性あり。 |
14回 | 室外基盤に不具合の可能性あり。 |
15回 | 室外基盤に不具合の可能性あり。 |
その他のランプが点滅した場合
日立製のエアコンの場合、タイマーランプや除湿(見張り)ランプ以外のランプの点滅は故障ではないことが多いですので、以下の内容や取扱説明書などを参考に対処することをおすすめします。
ランプの種類 | 点滅理由 |
運転ランプ | 冬場の暖房運転や霜取り運転中に点滅。 自動で暖房運転が復帰します。 (復帰まで20分程度かかる場合もある) |
クリーンランプ | エアコンフィルターやホコリキャッチャー、 パネルなどが正しく取り付けられていない 場合に点滅。上記内容を確認後、再起動。 |
ミスト空清 ランプ | イオンミスト装置にホコリ等の汚れが付着した 場合に点滅。説明書を参考に清掃後、再起動。 |
洗浄ランプ | フィルター掃除機能や室内凍結洗浄機能が 動作しない場合に点滅。 (上記機能の前回動作から一定時間経過ていない 場合などに点滅することが多い) |
修理料金の相場
上記の方法でエラーコードを読み取ることで、おおよその不具合原因や修理内容を把握することができます。
以下に、日立のメーカーHPで公開されているエアコン修理料金を紹介しておきますので、エラーコードの内容を参考にしながら修理費用がいくらぐらいになりそうか確認していきましょう。
室内外機制御基盤 | 39,000円 |
リモコンまたは室内機受光部 | 15,000円 |
冷媒ガス漏れ | 37,000円 |
冷凍サイクル部品交換 | 別途見積もり (100,000円前後) |
室内ファンモーター | 33,500円 |
※2021年9月時点の調査内容
上記の修理料金の金額の幅があるのは、故障原因やエアコンの状態によって部品交換が1つだけではなく複数になることがあったり、エアコンの設置状況(室外機の高所設置など)によっては追加の割増料金が発生することもあるからです。
一番確実な修理方法としては故障が疑われるパーツ全てを丸ごと交換するという方法で、メリットは確実に短時間でエアコンを修理することができますが、交換部品点数が多くなるため修理代金が高くなってしまうデメリットがあります。
上記の方法は、各種保証を使ったメーカーサポートによる修理(お客さんに迷惑がかからないようにしたい、費用はメーカーや販売店が負担)で行われることが多い印象です。
逆に保証が切れてしまって、お客さんが修理料金を負担する有償修理となる場合は、エラーコードの読取りや故障症状などから故障箇所を推定(可能であれば特定)し、最適な順序でパーツ交換や補修を行い、エアコンが正常復旧するか確認していく流れで修理を行っていくのが一般的となります。
この場合、1回目の修理(1つのパーツ交換)でエアコンが直れば安く早く直って良かった、2回目(2つ目のパーツ交換)でエアコンが直れば普通、運が悪ければ3回目のパーツ交換が必要になって、結局、修理期間が長びいたあげく、修理料金も高くなってしまうという可能性もあったりします。
どの方法がベストなのかということについては、エアコン修理業社の経験からある程度のアドバイスはできますが、最終的にどの方法で修理をしていくかということについては、エアコン修理業社の人と話し合いながら決めていく形となります。
エアコン修理はパーツ交換してすぐ直る場合が多いですが、こういった不確定要素もあるということを基礎知識として知っておきましょう。
メーカーサポートの連絡先
日立のメーカーサポートの連絡先は以下の通りとなります。
日立家電製品についての ご相談窓口 | 0120-3121-68 (フリーダイヤル) 0570-0031-68(携帯、有料) |
電話受付時間 | 9:00~18:00(月~土) 9:00~17:00(日、祝日) |
LINEの問い合わせ | LINEでのお問い合わせ|HITACHI |
出張修理のWEB受付 | お客さまサポート|HITACHI |
サポートページ | 修理のご相談・お申し込み|HITACHI |
取扱説明書の ダウンロード | 取扱説明書検索|HITACHI |
なお、夏場などは電話が混雑していることが多いですので、その場合はサポートページ内にあるメールフォームやLINEからも問い合わせをしてみましょう。
リコール情報も確認しておきましょう
過去に一部の日立エアコンでリコールが実施されていました。
故障の原因がリコール内容と一致する可能性もありますので、修理を依頼する前に一度以下のサイトでリコール情報も確認しておきましょう。
>>製品の安全とサービスに関する重要なお知らせ|HITACHI
リコール対象機種であればメーカーによる無償点検修理となる可能性がありますので、修理の依頼はメーカーサポートでその旨を伝えていきましょう。
まとめ
今回は、日立エアコンの故障原因の調べ方と修理費用相場まとめについてお話しました。
今使っているエアコンの故障が考えられる場合は、まず上記の内容をチェックし、ちょっとしたことが原因になっていないか確認してみてください。
シーズン中は修理や取替工事(新規購入)が混雑してしまっているため、思っている以上に時間がかかってしまうものです。
エアコン故障は早め早めの対応がキモとなりますので、是非参考にしてみてください。