エアコン修理の現場では、「実は故障じゃなかった」というケースが意外と多く、現場の約1~2割を占めます。お客様から「エアコンが冷えない!」「暖房が効かない!」とご連絡をいただき、点検に伺うと、簡単な確認や操作で解決してしまうことが少なくありません。
このような「実は故障じゃなかった」というケースでは、お客様と修理業者の双方にとって不利益が生じてしまいます。
- お客様は、故障していないエアコンの点検と出張料金を支払わなければなりません。
- 修理業者は、予約が込み合っている時期に、本当に修理が必要な現場を回ることができなくなります。
エアコンの修理を依頼する前に、ご自身でできる簡単な点検項目をチェックすることで、「実は故障じゃなかった」というケースを未然に防ぐことができます。今回は、現場でよく遭遇するケースを踏まえ、事前に確認しておきたい点検項目を6つご紹介します。
今回の記事でご紹介する点検項目を参考に、修理を依頼する前にご自身で確認しておきましょう。
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▶ステップ1:状況確認
エアコンの不具合について故障診断を行います。
エアコンの調子が悪いのですね。まずは今の状態の確認を行いますので、以下の中から症状を選んでください。
この記事の監修者
「taichan(たいちゃん)」
エアコンの故障診断のエキスパート、taichanです。大学院でヒートポンプを研究し、特許も取得。大手電機メーカーで培った知識と15年以上の現場経験を活かしたセカンドオピニオンを無料相談Q&A(空調テック)で提供中。電気主任技術者、電気工事士、冷凍機械責任者など、多数の資格を保有。
点検チェック1:コンセントが抜けていませんか?
夏や秋のエアコンシーズンが始まる頃、シーズンオフにコンセントを抜いたままにしていたことを忘れて、リモコン操作をしてしまうケースがあります。
ルームエアコンのコンセントは室内機側にしかないので、室内機から出ているコンセントがしっかり挿さっているかを確認しましょう。
また、コンセントは挿したまま、ブレーカーを落としているケースもあります。分電盤にあるエアコンのブレーカースイッチも確認してみましょう。
ブレーカーが切れている場合は「◯(開放)」になっているので、スイッチを操作して「|(接続)」にし、電源を入れましょう。
点検チェック2:リモコンの電池切れを確認しましょう
エアコンが動かないとき、最も多い原因の一つがリモコンの電池切れです。 昨日まで動いていたエアコンが急に動かなくなったら、まずリモコンを確認しましょう。
リモコンの液晶画面の表示が薄くて見えにくい場合は、電池切れの可能性があります。電池を交換してみましょう。
リモコンの電池が切れたり、リモコン自体が故障して信号が本体に送れなくなると、リモコンの表示ではエアコンが動く設定になっていても、実際にはエアコンは動作しません。
リモコンの故障かどうかを確認するには、スマホやデジカメのカメラ機能を使って、リモコンの赤外線が発光しているかを確認する方法があります。リモコンのボタンを押したときに、カメラ越しに赤外線LEDが点滅していれば、リモコンは正常に動作しています。
リモコンの故障が原因でエアコンが動かない場合は、リモコンを交換すれば再びエアコンを使用できます。
点検チェック3:設定温度や運転モードを見直してみましょう
エアコンの室内機と室外機は、必ずしも同時に動作しているとは限りません。
例えば、冷房運転で設定温度を28℃に設定している場合、室温が28℃より高ければ室内機と室外機は両方動作して冷房しますが、室温が28℃より低くなると、室外機は停止し、室内機のみが送風運転になることがあります。
このような場合、設定温度を現在の室温より2~3℃ほど低く設定してみましょう。もし室外機が動き出せば、設定温度が原因だったと分かります。
このような場合は、設定モードは「冷房」に、設定温度は現在の室温より2~3℃ほど低く設定してみましょう。
暖房の場合は、設定温度を現在の室温より2~3℃ほど高く設定して確認してみてね!
点検チェック4:フィルターのホコリをチェック!
エアコンのフィルターにホコリが溜まっていると、エアコンがうまく風を吸い込めなくなり、冷暖房効率が低下する原因になります。
また、フィルターの目詰まりは、水漏れ(吹出口から水が前方に飛び出すことが多い)を引き起こすこともあります。
フィルターにホコリがたくさん付いている場合は、エアコンの前面パネルを開いてフィルターを取り出し、掃除機でホコリを吸い取ってみましょう。
フィルターを取り付ける際は、正しく取り付けられているか、前面パネルがしっかり閉まっているかを確認しましょう。
取り付けや閉め方が不十分なだけで、エラーが発生する機種もあります。
点検チェック5:室外機の周りはスッキリさせていますか?
夏場に多いケースですが、エアコンの室外機は異常に熱を持つと、システム保護のために自動的に停止することがあります。
これは、室外機周りの風の流れが悪くなっていることが主な原因です。
- 室外機にカバーが取り付けられたままになっている
- 室外機の周りに物が置かれている
- 室外機のアルミフィンにホコリやゴミが付着している
室外機が熱風をうまく排出できなくなると、内部に熱が溜まり、異常を検知して停止してしまいます。
室外機の周りのものを片付けたり、アルミフィンを掃除したりした後、エアコンを再起動して正常に動作するようになった場合は、風通しの悪さが原因だったと考えられます。
点検チェック6:霜取り運転中ではありませんか?(冬場の暖房時)
冬場の暖房運転時、エアコンは室外機に付いた霜を取り除くため、定期的に霜取り運転を行います。
霜取り運転中は、室内機のランプが点滅し、温風が出なくなることがありますが、10~15分程度で再び温風が出始めれば、故障ではなく正常な動作です。
また、霜取り運転中は、溶けた霜が水になって室外機から出てきますが、これも正常な動作なので安心してください。
エアコンが直らない時は…エアコン本体のリセットを試そう
エアコンは強いノイズを受けたりするだけで誤作動を起こして動かなくなってしまうことがあります。
上記の内容を確認してもエアコンが直らない場合、一度下記の手順でエアコン本体をリセットしてみて下さい。
1. エアコンをOFFにする
エアコンが動いている場合はリモコンでエアコンの電源をOFFします。
運転ランプやタイマーランプが点滅して既にエアコンの動作が停止してしまっているような場合は、そのまま次のステップに進んでください。
2. 室内機の電源コードを抜く
次に、エアコンの電源コードを抜きます。
電源プラグが高いところで抜き差ししにくい場合などは、分電盤の中にあるエアコン回路のブレーカーを落としてもOKです。
ルームエアコンの場合、電源は室内機側のコンセントのみとなっていますので、ここまで作業ができたらエアコンに流れる電気は遮断できたことになります。
ブレーカーのマークの意味は「ー」で通電、「◯」で開放(電気を遮断)となっています。
3. 5分後に電源を入れ直す
エアコンの電源を落としてから5分後にコンセント(ブレーカー)を差し込んでください。 5分待つことで、エアコン内部の電子部品が完全に放電され、リセットが確実に行われます。
ルームエアコンの場合、電源コンセントは室内機のところに一箇所しかないため、この操作を行うことで、室内機だけではなく室外機の方も同時にリセットすることができま
リモコンに付いているリセットボタンは、リモコンの電池交換後にリモコン本体をリセットするためのものです。このリセットボタンを押してもエアコン本体はリセットされないので注意してください。
まだエアコンが直らない!応急運転も試してみよう
色々試してもエアコンが直らない時は、応急運転を試してみましょう。
応急運転は、エアコンのちょっとした不具合を一時的に復旧できる可能性のある機能です。 リモコンが故障した場合や、電源が入らない場合などに役立ちます。
エアコンの応急運転方法
エアコン本体に問題がないかを確認するために、「応急運転ボタン」を押してみましょう。応急運転ボタンは、エアコン本体にある、通常は小さくて目立たないボタンで、リモコンを使わずにエアコンを起動できる機能です。
応急運転スイッチの使い方
ルームエアコンには「応急運転スイッチ」というものが室内機本体の下側や前面パネルを開いたところについていて、この応急運転スイッチを使えば、リモコンを使わずにエアコンを起動する事ができます。
- 取扱説明書をよく読み、応急運転ボタンの位置を確認します。
- ボタンが小さい穴に隠れている場合は、細い棒などを使って押します。
- 応急運転ボタンを押すと、エアコンが起動します。起動する運転モードや設定温度は、メーカーや機種によって異なります。
応急運転後の確認
エアコンの応急運転を行った後、以下の点を確認してください。
- 室外機が動き出したか
- 冷たい/暖かい風が出てくるようになったか
この応急運転スイッチでエアコンを強制起動した結果、ちゃんとエアコンが動いたようであればエアコン本体の基本機能に異常はないということになります。
途中でエアコンが停止し、運転ランプが点滅し始めた場合は、エアコンが故障してしまっている可能性が高いといえます。以下の記事を参考にエラーコードを読み取ることで、不具合の原因を調べることも可能です。
それでもエアコンが直らないままの場合は・・・
ここまでいろいろ試してもエアコンが直らない場合は、本当に困ってしまいますよね。とても残念ではございますが、エアコンが故障している可能性が高いでしょう。
そのような場合は、エアコンのメーカーサポートに連絡してみましょう。 専門のスタッフが、あなたのエアコンの状況を丁寧にヒアリングし、適切なアドバイスや修理の手配をしてくれます。
補足
- メーカーサポートに連絡する際は、エアコンの型番、購入時期、保証期間などを事前に確認しておきましょう。
- 修理費用が高額になる場合や、エアコンが古い場合は、買い替えを検討することもおすすめです。
- エアコンの保証期間は、一般的に1年ですが、冷却回路の故障の場合は5年、メーカーや購入販売店によっては延長保証が付いている場合もあります。
修理を依頼する場合は、出張費や部品代などが別途かかることがあります。エアコン点検のみの場合も料金がかかることが多いですので、事前に確認しておきましょう。
エアコン点検の費用目安
エアコンの点検費用は、点検内容や依頼する業者によって異なります。
ここでは、一般的な点検費用の目安を紹介します。
1. メーカー点検
メーカーに直接点検を依頼する場合、出張点検費は5,000円~20,000円程度が目安です。 これは、点検作業の基本料金で、部品交換や修理が必要な場合は別途費用がかかります。
2. 販売店・家電量販店
エアコンを購入した販売店や家電量販店に点検を依頼することもできます。 費用は業者によって異なりますが、5,000円~10,000円程度が目安です。
3. 街の電気屋さん
地域の電気屋さんに点検を依頼する場合は、費用が比較的安い傾向があります。 3,000円~8,000円程度が目安です。
点検費用は業者によって違うから、事前に確認するのが大切です。
まとめ
今回は、エアコンの点検について、修理を依頼する前に確認すべき6つの項目を紹介しました。
これらの項目をチェックすることで、実は故障ではなく、簡単な操作で解決できる問題も多いことが分かります。
エアコンのトラブルに遭遇した際は、まず落ち着いて、以下の点検項目を確認してみましょう。
- コンセントが抜けていないか
- リモコンの電池が切れていないか
- 設定温度は適切か
- フィルターにホコリが溜まっていないか
- 室外機の風周りを邪魔していないか
- 霜取り運転中ではないか
これらの点検項目を自分で確認することで、 不要な点検費用を節約することができ、ちょっとした不具合であれば自分で問題を解決することができる場合があります。
もし、これらの点検項目を確認しても問題が解決しない場合は、エアコンになにか不具合が発生している可能性が高いですので、無理せず専門業者に点検を依頼しましょう。
メーカーサポートの連絡先一覧
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エアコンのトラブル、もう悩まない!解決への3ステップ
エアコンの調子が悪いと感じたら、まずは落ち着いて状況を把握しましょう。
電源が入らない、ランプが点滅する、異音がする、冷風が出ない、水が漏れる…など、具体的な症状は何でしょうか?
慌てずに、これからご説明する3つのステップに従って、ひとつずつ問題を解決していきましょう。
ステップ1:状況確認と原因特定
不具合の具体的な症状(例:冷えない、異音がする、水漏れするなど)を把握しましょう。そして、エアコンの不調の原因を探ります。取扱説明書を確認したり、簡単なセルフチェックを試してみることで、自分で解決できることもあります。
エアコンの調子が悪いときは、まずこちらで不具合内容をチェック!
>> エアコンの不具合診断(スマート診断ナビ)はこちら
ステップ2:修理の可否
エアコンの使用年数から、エアコンの修理が可能かどうかを判断します。保証や修理費用確認費用などを調べましょう。
修理を依頼する前に、まずは修理が可能かどうかを確認することができます。
>>修理はできる?診断したい方はこちら
ステップ3:業者選び
修理または買い替えを依頼する業者を選びます。 メーカーのサービスセンター、家電量販店、街の電気屋さんなど、様々な選択肢があります。 費用やサービス内容を比較検討し、信頼できる業者を選びましょう。
信頼できる業者を見つけるためのヒントはこちら
>>業者の違いが知りたい方はこちら
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- さらに、エアコンの寿命を診断し、買い替え時期の目安を知ることができます。
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