エアコンが全く効かなくなる主な5つの故障原因
エアコンが効かなくなってしまう主な故障原因は、以下の5つとなります。
【エアコンが効かない原因1】基盤や電源ヒューズなどの故障
強制起動ボタンなどを使ってもエアコンの電源が全く入らないという場合、エアコン内部の基盤や電源ヒューズなどの部品が故障してしまっている可能性があります。
修理費用の相場
エアコンの電源が入らない場合の修理費用の相場は以下のとおりです。
症状 | 故障原因と修理費用相場 |
エアコンが効かない (電源が入らない) | 【故障原因】基盤や電源ヒューズなどの故障 【修理方法】部品交換 【料金相場】1~3万円 |
一般的に、電源が入らないという場合は、室内機側の基盤や室外機側の電源ヒューズなどの交換で復旧する場合が多く、修理費用の相場は1~3万円程度となる場合が多いでしょう。
【エアコンが効かない原因2】リモコン受光部の故障
エアコン本体にあるリモコン受光部が故障した場合、リモコンからの操作は全く受け付けず、応急ボタンなどでしかエアコンを操作することができなくなります。
リモコン受光部の故障は初期不良や経年劣化以外にも、エアコン掃除などで水がかかってしまったりすることが原因になっていたりします。
応急運転ボタンでしかエアコンが起動しないという場合は、このリモコン受光部の故障を疑っていきましょう。
修理費用の相場
エアコン本体のリモコン受光部の故障の場合の修理費用の相場は以下の通りとなります。
症状 | 故障原因と修理費用相場 |
エアコンが効かない (応急運転ボタンで しか起動しない) | 【故障原因】リモコン受光部の故障 【修理方法】部品交換 【料金相場】1~2万円 |
リモコン本体が故障している場合、リモコン受光部の故障の場合、部品交換だけで復旧することがほとんどです。
買い替えなどより修理するほうが安くつくことが多いですので、修理をしていくことをおすすめします。
【エアコンが効かない原因3】冷媒ガス漏れ
エアコンは配管の中に入っている冷媒ガス(R32、R410aなど)が封入されていて、その冷媒ガスが室内から室外に熱を移動させることによって室内機から冷風(暖房の場合は温風)を出すことができる仕組みで動いています。
ただ、エアコンが効かなくなるトラブルの中にはこの冷媒ガスが漏れてしまっていて、エアコンがうまく作動していないケースがあります。
少々のガス漏れではエラーコード表示(エアコン停止)する機種はほとんどなく、冷媒がほとんどなくなってしまうまで漏れてようやくエラーコード表示(室内機のランプ点滅)して停止することになります。
ただ、スローリーク(何年かかけてちょっとずつ冷媒が漏れている状態のこと)によって中途半端に冷媒が漏れていってしまっているような場合だと、エアコンは動き続けているのだけれど冷媒が少なくなってしまっているためエアコンの能力が小さくなり、効きが悪くなってしまっています。
このような冷媒ガス漏れが起きているかどうかを見極める方法としては、エアコンの吸込温度(天井付近の温度)と吹出温度(吹出口から出てくる冷風の温度)の温度差がちゃんとあるかどうか(8~13℃程度、冷房の場合)で確認すると良いでしょう。
運転モード | 正常な場合の温度差 |
---|---|
冷房 | 8~13℃ |
暖房 | 16~23℃ |
具体的な動作確認方法は以下の通りとなります。
【STEP1】冷房運転、温度設定「最低」、風量「最大」にする
まずはじめに、エアコンを冷房運転にして、温度設定を最低、風量を最大に設定します。
【STEP2】吸込温度と吹出温度を測定する
次に、エアコンの吸込み温度としてエアコン上部(天井辺り)の空気温度を測定します。
上記の温度計の場合、温度計の周りの温度をIN(下側)に表示しますので、この場合は吸込温度(天井付近の温度)が19.9℃ということになります。
次に吹出し温度は、温度計のセンサー部をルーバーの中辺りに設置したりして測定します。
このセンサー部で測定した温度は、先程の温度計のOUT(上側)に表示されるため、エアコンの吹出温度は8.1℃ということになります。
よって、エアコンの吸込温度と吹出温度の差は11.8℃(19.9℃ー8.1℃)となり、判断基準となる「8~13℃」の範囲内となるので、このエアコンは正常に動いていると判断することができます。
逆に、この吸込と吐出の温度差が8℃より小さい場合、冷媒ガスが漏れてしまっている可能性が高いでしょう。
修理費用の相場
冷媒ガス漏れ修理を依頼した場合の相場は、以下の通りとなります。
エアコンが効かない (生ぬるい風しか 出てこない) | 【故障原因】冷媒ガス漏れ(継ぎ手部分) 【修理方法】ガス漏れ修理(フレア加工)とガスチャージ 【料金相場】1~3万円 【故障原因】冷媒ガス漏れ(配管パーツの腐食など) |
※修理費用の相場はメーカーサポートに依頼した場合のおおよその金額となります。
エアコンが全く効かない場合、かなりの量の冷媒ガスが漏れ出てしまっています。
ほとんどの場合は、配管の継手部分からの冷媒ガス漏れなので1~3万円程度で済むことが多く、ロウ付けを伴う部品交換が必要なケースは少ないでしょう。
ただし、最終的な修理費用はサービスマンの方が来て現地見積を行わないと確定されませんので注意が必要です。
【エアコンが効かない原因4】四方弁の故障
エアコンは室外機の中にある「四方弁」と呼ばれる弁を切り替えることによって冷媒の流れを変えることによって、冷房運転と暖房運転を切り替えています。
冷房運転時の冷媒の流れ
暖房運転時の冷媒の流れ
四方弁は弁のONとOFFを切り替える電磁コイルに電気を流したときに暖房の回路に、電磁コイルに電気が流れていないときは冷房の回路となるのが一般的です。
暖房回路のまま弁が固着してしまった場合、エアコン本体は冷房運転をしようとして四方弁を冷房回路に切り替えたつもりでも、実際の四方弁は暖房回路のままになってしまいます。
この四方弁故障の場合、不具合が出るのは冷房の場合のみで、暖房の場合は短時間であれば特に問題なく動くというのが特徴です。
一般的に四方弁が故障した場合はエアコンの方にエラーコード表示が表示され、動作停止してしまうことが多いですが、エアコンが故障を検知するまでに時間がかかってしまう場合があります。
冷房をつけたのに冷たい風ではなく温かい風が出てきているという場合は四方弁の不具合が疑われます。
修理費用の相場
四方弁故障の場合の修理料金の相場は以下のとおりです。
症状 | 故障原因と修理費用相場 |
エアコンが効かない (温かい風が出てくる) | 【故障原因】電磁コイル(四方弁)の故障 【修理方法】電磁コイルの交換 【料金相場】1~3万円 【故障原因】四方弁本体の故障 |
※修理費用の相場はメーカーサポートに依頼した場合のおおよその金額となります。
四方弁本体が故障してしまった場合は溶接を伴う部品交換が必要となり修理費用が高額になることが予想されます。
各種保証が切れてしまっている場合はエアコンの買い替えを検討したほうがいいでしょう。
【エアコンが効かない原因5】本体異常(エラーコード表示)
パナソニック製のエアコンの場合、タイマーランプの点滅がエラーのお知らせとなっていて、タイマーランプ以外のランプ(運転、ナノイーなど)の点滅は故障を示すものではなく、別の機能のお知らせとなっています。
タイマーランプが点滅している場合、リモコンでエラーコードを読み取れば不具合が発生している箇所の特定ができます。
具体的なエラーコードの出し方については、以下のページが参考になります。
>>【パナソニック】エラーコードの調べ方とエアコン本体リセット方法
修理費用の相場
エラーコードが表示されて途中で止まってしまう場合の修理費用の相場は以下のとおりです。
症状 | 故障原因と修理費用相場 |
エアコンが効かない (途中で止まってしまう) | 【故障原因】基盤やモーターなどの故障 【修理方法】部品交換 【料金相場】1~17万円 【備 考】稀なケースとして冷媒回路の部品故障の場合は高額になる場合もあり。 |
一般的に、エラーコードが出て途中で止まってしまうという故障の場合、基盤やファンモーター、各種センサーなどの故障であることが多く、その場合は1~3万円程度の修理費用となります。
ただし、圧縮機の故障など冷媒回路に関する異常を検知している場合、交換修理にかかる費用が高額になることがありますので、注意が必要です。
まとめ
パナソニック製エアコンが全く効かない場合、まずはリモコン設定や室内機、室外機の状態を確認し、本体リセットや強制起動でエアコンがちゃんと動くようになるか確認してみて下さい。
それでも効きが戻らないようであれば、エアコン故障の可能性が高いですので、早めに点検をしてもらうようにしましょう。