パナソニック(エオリア)

【パナソニックエアコン】室外機が動かない原因と対処法まとめ


室外機が動かなくなる主な故障原因

ここからは、室外機が動かなくなる主な原因について詳しくお話していきます。

【故障原因1】コンセントが抜けている(ブレーカーが落ちている)

冷房や除湿を使い始める夏先や、暖房を使い始める秋頃の場合、シーズンオフにエアコンのコンセントを抜いたままリモコンの操作をしている事があります。

エアコンのコンセントが抜けている

ルームエアコンのコンセントは室内機側に一つだけしかありませんので、室内機から出ているコンセントがしっかり挿さっているかどうかを確認してみてください。

この他に、エアコンのコンセントは挿したままブレーカーだけを落としているケースもありますので、分電盤中にあるエアコンのブレーカースイッチも一度確認してみるといいと思います。

分電盤

分電盤の中のエアコンブレーカー

エアコンのブレーカーが切られている場合、上記のような感じになっている「◯(開放、つながっていない)」と思いますので、そのスイッチを操作してエアコンのコンセントに電気を流してあげましょう。

エアコンのブレーカーがON

業務用のパッケージエアコンにはコンセントがなく、ブレーカーから直接配線されています。室内機と室外機それぞれにブレーカーが設置されていることがほとんどとなります。

【故障原因2】リモコンが故障している

パナソニックエアコンのリモコン

エアコンが動かないという場合の一番多い原因が、リモコンの電池切れやリモコン本体の故障です。

昨日まで動いていたエアコンが急に動かなくなったりした場合、まずはリモコンがちゃんと動いているかどうか確認しましょう。

リモコンの液晶画面の表示が薄くて見えづらいような場合は電池切れの可能性もあります。

仮に、操作中にリモコンの電池が切れたり、リモコンが故障してしまってうまく信号を本体に送れなくなったりした場合、リモコン表示上はエアコンが動かなければならない設定になっていたとしても、本体にはその内容が伝わっていないということもよくあります。

本当にこのリモコン故障はよくあるエアコンが動かない原因のひとつですので、まずはじめに確認しておきましょう。

>>【パナソニック】エアコンのリモコンが故障した場合の対処法

リモコンが故障していなくても、室内機本体側のリモコンの受光部が故障してしまっている可能性もあります。

特に、エアコン洗浄スプレーなどを使ってエアコン掃除をしたことがあるような場合、間違ってリモコン受光部に洗浄液がかかり、その部分が故障してしまっているということが多々あります。

エアコンはリモコンを使わなくても、受光部が故障していたとしても、「応急運転ボタン」を押すことでエアコンを強制的に起動(25℃の自動運転)することができます。

【故障原因3】室温が設定温度より低くなっている

エアコンは部屋の中にある室内機と部屋の外にある室外機が必ずしも同じタイミングで動作しているとは限りません。

例えば、エアコンの冷房運転や除湿運転で設定温度を28℃に設定している場合、室温が28℃よりも高ければエアコンの室内機と室外機は両方共に動きます(冷房します)が、エアコンが室内を冷やして室温が設定温度の28℃よりも低くなった場合、室内機は動いたままにも関わらず室外機は停止する(ブゥーンという低い音が消え、ファンも停止する)ことがあります。

この時、室内機からは冷たい風ではなく、生ぬるい風が出ている状態(扇風機と同じ、送風運転)になっています。

そして、また部屋の温度が設定温度の28℃以上になった時に室外機が動き出し、エアコンの室内機から冷たい風が出るという感じです。

これは暖房のときも同じことが言えます。

例えば、エアコンの暖房で設定温度を23℃に設定している場合、室温が23℃よりも低ければエアコンの室内機と室外機は共に動きます(暖房します)が、室温が設定温度の23度よりも高い場合、室内機は動いたままにも関わらず室外機は停止することがあります。

このようなパターンでエアコンの室外機がONとOFFを繰り返している場合はエアコンの故障ではなく、エアコン制御の仕様であると考えて良いでしょう。

エアコンの自動運転モードで室外機が動かない

エアコンのリモコンで「自動運転モード」に設定している場合も、上記と同じようなことが起こる場合があり、室内が過ごしやすい温度帯の場合、エアコンの室内機は動くけれども、エアコンの室外機は動かない(ON/OFFの断続運転を繰り返す)ことがあります。

上記のように、故障ではなく、室内の温度が設定温度に達しているため室外機が停止した場合、冷房(暖房)の場合は設定温度を室温より2~3℃ほど低め(高め)に変更してみましょう。

温度を変更してから数分以内に、室外機が動き出し、部屋が冷える(温まる)まで室外機が動いているようであれば、室外機が動かなかった理由は室内の温度が設定温度に達したからだったということが確認できます。

【原因4】室外機の保護回路が働いている(夏場の冷房)

これは主に夏場によく起こってしまうケースなのですが、エアコンの室外機は異常に熱を持つと、システム保護のために自動的に停止することがあります。

このようなことが起こる原因として考えられるのは、エアコンの室外機周りの風の流れが悪くなってしまっていることがほとんどです。

例えば、冬の間、エアコンを使わないので室外機にカバーをかけておいたのをすっかり忘れていてそのまま冷房をつけた場合や、室外機の周りに周りに物がたくさん置かれていたり、ペットの毛などが室外機のアルミフィン部分にたくさんついていたりする場合など、「室外機が新鮮な低い温度の空気を吸い込んで、熱風(冷房の場合、暖房の場合は冷風)を吐き出すこと」ができなくなってしまうため、室外機に熱が溜まり、異常を検知してエラー停止します。

エアコンの室外機にカバーが付いている

このようなケースでは、エアコンの周りに置かれている物をどけたり、室外機を掃除してアルミフィンの風通しを良くしたりして、室外機が置かれている環境を良くし、リモコンでOFF→ON(再始動)し、室外機が止まらずに動き続けていれば、風通しの悪さが室外機停止の原因だったと考えられます。

室外機の周りに何も置いてなくて風通しが良い状態でも、異常なレベルの猛暑で外気温が40℃近くになり、かつ直射日光がエアコンにあたっているような場合、稀にではありますが、エアコンは故障していないのに上記のような室外機の高温異常エラーが出て停止してしまうことがあります。

この場合は、エアコンをしばらく休ませてから再始動させたり、室外機にバケツで水をかけてあげて室外機を冷やしたり、室外機の天面に日除けカバーなどを取り付けたりして、エアコンを再始動して様子を見てください。

【原因5】霜取り運転が行われている(冬場の暖房)

エアコンの暖房は、室外機の熱交換器(アルミフィンのこと)を氷点下まで冷やすことで、室内機から温風を出す仕組みで動いています。

ですが、外の天気が雨や雪など、湿度が多いような条件で暖房運転を続けていると、室外機の熱交換器に霜や氷がついてしまいます。

霜取り運転前の室外機に氷がついたアルミフィン

これは、真夏にガラスのコップに氷水を入れると、コップの周りに空いて気がついてしまうのと同じことが室外機で発生していると考えるとよくわかると思います。

ただ、エアコンの暖房の場合は、室外機の配管内部を流れる冷媒ガスの作用によってアルミフィン部の温度は0℃以下にまで低くなっているため、フィンに付着した水分はそのまま凍ってしまいます。

それが長時間続くと、室外機のアルミフィン全体が氷で覆われてしまうという状況になってしまいます。

このようなメカニズムで室外機に霜がついてしまうと暖房能力が落ちてしまい、室内機から温風を出すことができなくなってきます。

これを防ぐための方法が「霜取り運転」です。

霜取り運転は、室外機についてしまった氷を溶かすために、一旦室内の暖房を停止します。

この時、室内機の風量は微風、または停止となっていて、暖かい風はでてきません。

また、室外機を見てみると「ブゥーン」というコンプレッサーが動く音はするものの、室外機のファンは停止していることが多いでしょう。

また、霜取り運転が終わる頃には室外機から霜が溶けた水がジャバジャバと出てきます。

霜取り運転は数分から十数分で完了し、その後、再びこれまでどおりの暖房運転が再開されます。

比較的温暖な地域に住んでいる人の場合、室外機に大量の霜がついてしまうことは少ないため、霜取り運転を目にする(気づく)機会が少ないと思いますが、寒冷地の場合、一日に何度も除霜運転が行われています。

暖房中に急に温風が出なくなってしまい、室外機をみたらコンプレッサーは回っているものの、ファンが回っていないという場合、おそらくそれは霜取り運転だと思われます。

急に暖房がとまってしまってびっくりすると思いますが、電源を切ったりせず、10分ほど様子を見てみましょう。

【原因6】室外機が凍りついてしまっている(冬場の暖房)

先ほどお話した暖房時の霜取り運転は、室外機の熱交換器を温めることでアルミフィンに付いた霜を溶かして、室外機の外に排出します。

ただ、数年に一度の寒波などがやってきて外気温が異常に低くなってしまうような場合、溶けた水が室外機の外に排出される前に室外機の中(底面など)で再び凍ってしまうことがあります。

その氷が成長続けると室外機のファンに当たってしまってしまって暖房運転が停止し、ファンが動作しないことによる故障(エラーコード)が表示されることがよくあります。

そのようなことを防ぐための手段として、寒冷地仕様のエアコンが存在しています。

寒冷地仕様のエアコンの室外機の底面にはヒーターが取り付けられていて、除霜運転で溶けた水が床面で凍らないようにする工夫が施されています。

室外機が頻繁に凍りついてしまう(除霜運転で溶けた水が室内機の中で凍ってしまうなど)という場合は、このような寒冷地仕様のエアコンに取り替える必要があります。

ただ、稀に来る寒波の影響で一時的に室外機が凍りついてしまった場合は、熱湯などを室外機の底面に流し込むなどすれば、再び暖房を再開することもできます。

また、室外機が舞っている雪を吸い込んでしまうような場所に置かれていると、頻繁に除霜運転が入ってしまうことになったりしますし、除霜運転によって出る水の量も多くなり、それによって室外機が凍りついてしまうこともあります。

エアコンが凍りついてしまって動かない場合、熱湯などをかけて氷を溶かした後に暖房運転をして再び動き出せば、エアコンは故障していということが確認できます。

ただ、この室外機が凍りついてしまう現象が一時的な寒波の影響ではなく慢性的に起こってしまうような場合、室外機に雪が吸い込まれないよう雪よけ(風よけ)の工夫をしたり、業者に依頼して室外機の場所を移動したり、寒冷地仕様のエアコン(室外機にヒーターが設置されていたりする)の導入を検討したりなども考えていく必要があるでしょう。

【原因7】制御基板の故障

エアコンの室外機が動かなくなる原因で多いのが、コンプレッサー(冷媒ガスを圧縮するパーツ)やファンモーター(室外機のファンを回すためのモーター)などを動かすための基板の故障です。

エアコン室外機の制御基板の故障

例えば、コンプレッサーを動かすための制御基板が壊れた場合、エアコンをONにしても冷媒ガスの圧力や温度が上がらないため、センサーがそれを察知して室外機を停止させます。

また、ファンモーターを動かすための基板が壊れた場合、エアコンをONにするとコンプレッサーは回るため冷媒の圧力や温度は上昇するものの、それを冷却するファンが回らないため、異常に配管温度が上がってしまい、それをセンサーが感知して室外機を停止させます。

このような故障の場合、センサーが以上を感知するため、エアコン本体にエラーコードが出る場合がほとんどで、室外機だけではなく室内機も停止します。

これが原因で室外機が停止している場合、基板の交換修理が必要となりますので、メーカーのサポートやエアコン修理業者に来てもらって、壊れた基板を修理してもらいましょう。

このような場合の修理費用の相場は2~3万円程度となります。

【原因8】ファンモーターの故障

先程の話の中にも出てきましたが、制御基板ではなくファンを回すためのモーターそのものが故障してしまってファンが回らず、室外機が動かなくなることもあります。

ファンモーターが故障する原因として多いのが、室外機の周りに物が置かれたりしていてファンが回りにくくなっていたり、またはファンに何か物が挟まってしまっていてファンが回らず、その結果モーターが熱を持ってしまって故障するというケースです。

その他にも、ファンモーターは室外機の電装品の中で一番低いい位置に設置されているため、水害などで室外機の半分ぐらいが水に浸かってしまったり、海から近いところに設置されている場合、ファンモーターの内部が錆びてしまって上手く回転できずに故障してしまうという事もあります。

エアコン室外機のファンモーターの故障

室外機のファンモーター故障の場合も、コンプレッサーは正常に稼働するが、ファンが回らず配管が異常に熱くなることをセンサーが感知して室外機を停止させるため、エラーコードが表示され、室外機とともに室内機も停止することがほとんどです。

ファンモーターの修理はメーカーサポートやエアコン修理業者に依頼する必要があり、費用の相場は1.5~2.5万円程度となります。

【原因9】四方弁の故障

エアコンは夏場の冷房運転と冬場の暖房運転では、配管の中を流れる冷媒の流れ方が異なります。

冷房運転時の冷媒の流れ

エアコンの冷房時の冷媒ガスの流れ

暖房運転時の冷媒の流れ

エアコンの暖房時の冷媒ガスの流れ

その冷媒の流れる向きを切り替えるために取り付けられているのが四方弁と呼ばれるパーツです。

この四方弁やその四方弁を動作させるための電磁コイルなどが故障し、四方弁が作動しなくなると、エアコン本体は暖房運転をしているつもりでも、実際の冷媒の流れは冷房運転になってしまっているため、吹出口からは冷たい風が出てきてしまうということがあります。

電磁コイルの故障であれば1~3万円程度で修理可能ですが、仮に四方弁本体が故障した場合、パーツを交換するためには室外機から冷媒を抜き取り、溶接でパーツの付け替えとなるので、修理費用は8~17万円と高額になってしまうことが予想されます。

>>【エアコン室外機】四方弁の動作原理と故障原因まとめ

【原因10】冷媒ガス漏れ

エアコンは冷媒というものを使って、室内の熱を室外に移動させることによって、エアコンから冷たい風を出すという仕組みで動いています。

基本的にはこのエアコンの内部に封入されている冷媒が漏れてなくなるということはありませんが、稀に配管の腐食や初期不良、取り付けミス等によって冷媒が漏れ出してしまうことがあります。

冷媒ガスが少なくなってくると、室内機から室外機に運び出せる熱の量が少なくなったり、室外機側の温度が下がってしまって上手く排熱ができなくなったりしてしまいます。

エアコン内部の冷媒が完全になくなってしまうとエラーコードが表示されてエアコンは室内機、室外機共に完全に動かなくなってしまいますが、中途半端に冷媒が少ない状態だとエラーコードは出ないもののエアコンは冷えないという感じになります。

エアコン充填費用はおおよそ1~1.5万円が相場で、エアコンの冷媒漏れがある場合はプラス1~2万円ほど必要になる場合があります。

>>【エアコン】冷媒ガス漏れの原因と修理料金相場について

最後に一言

パナソニック製エアコンの室外機が動かない場合、まずはエラーコードの確認や室外機の状態を確認してみて下さい。

本体リセットや強制始動をしても室外機が動き出さない場合は、エアコンが故障してしまっている可能性もありますので、早めにエアコン点検をしてもらうことをおすすめします。

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      プロフィール

      この記事の監修者
      「taichan(たいちゃん)」

      エアコンの故障診断のエキスパート、taichanです。大学院でヒートポンプを研究し、特許も取得。大手電機メーカーで培った知識と15年以上の現場経験を活かしたセカンドオピニオンを無料相談Q&A(空調テック)で提供中。誰にとってもストレスなエアコン故障、そんな時に少しでも私のアドバイスがあなたのお力になることができれば幸いです。

      【保有資格】

      • 第三種電気主任技術者
      • 第一種冷凍機械責任者
      • 第一種電気工事士
      • 第二種電気工事士
      • 認定電気工事従事者
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