途中から動かなくなってしまう場合のチェック項目
エアコンの電源は一瞬入るのだけれど、ちゃんと冷たい(暖房の場合は温かい)風が出てこなかったり、急にエアコンの室外機が止まってしまうというような症状が出る場合もあります。
この場合、エアコン故障の可能性もありますが、ちょっとしたことが原因でそういった状態になってしまっている可能性もあります。
慌てて業者やメーカーサポートに連絡する前に、一旦落ち着いて、順番に以下の内容をチェックしてみてください。
設定温度が室温より高く(暖房の場合は低く)なっていませんか?
エアコンは部屋の中にある室内機と部屋の外にある室外機が必ずしも同じタイミングで動作しているとは限りません。
例えば、エアコンの冷房運転や除湿運転で設定温度を28℃に設定している場合、室温が28℃よりも高ければエアコンの室内機と室外機は両方共に動きます(冷房します)が、エアコンが室内を冷やして室温が設定温度の28℃よりも低くなった場合、室内機は動いたままにも関わらず室外機は停止する(ブゥーンという低い音が消え、ファンも停止する)ことがあります。
この時、室内機からは冷たい風ではなく、生ぬるい風が出ている状態(扇風機と同じ、送風運転)になっています。
そして、また部屋の温度が設定温度の28℃以上になった時に室外機が動き出し、エアコンの室内機から冷たい風が出るという感じです。
これは暖房のときも同じことが言えます。
例えば、エアコンの暖房で設定温度を23℃に設定している場合、室温が23℃よりも低ければエアコンの室内機と室外機は共に動きます(暖房します)が、室温が設定温度の23度よりも高い場合、室内機は動いたままにも関わらず室外機は停止することがあります。
このようなパターンでエアコンの室外機がONとOFFを繰り返している場合はエアコンの故障ではなく、エアコン制御の仕様であると考えて良いでしょう。
エアコンのリモコンで「自動運転モード」に設定している場合も、上記と同じようなことが起こる場合があり、室内が過ごしやすい温度帯の場合、エアコンの室内機は動くけれども、エアコンの室外機は動かない(ON/OFFの断続運転を繰り返す)ことがあります。
上記のように、故障ではなく、室内の温度が設定温度に達しているため室外機が停止した場合、冷房(暖房)の場合は設定温度を室温より2~3℃ほど低め(高め)に変更してみましょう。
温度を変更してから数分以内に、室外機が動き出し、部屋が冷える(温まる)まで室外機が動いているようであれば、室外機が動かなかった理由は室内の温度が設定温度に達したからだったということが確認できます。
適切な運転モードになっていますか?
エアコンの冷房が効かない(冷たい風が出てこない)原因として意外に多いのが、リモコンの表示と本体の運転モードが異なっている事が良くあります。
例えば、部屋を涼しくしたいと思ってリモコンで温度を下げたとしましょう。
この場合、運転モードが「冷房」になっていなくても「自動」や「除湿」になっていればエアコンから冷たい風は出てくるのですが、仮に運転モードが「暖房」や「送風運転」になっている場合は、いくら設定温度を下げてもエアコンからは冷たい風は出てきません。
「リモコンの表示もちゃんと冷房になってるのに、一向にエアコンが動かない・・・」という場合、もしかしたらリモコンの表示と本体の運転モードが異なっている可能性があります。
例えば、子供がリモコンをエアコンの方に向けないで運転モードボタンを押してしまったりした場合、リモコンの表示は「冷房」になっているのに、本体が認識している運転モードは「暖房」だったという事もありえます。
このようなことも考えられるので、一度リモコンをエアコンに向けて運転切り替えボタンを押し、もう一度モード設定を切り替えてみてください。
エアコンカバーを取り忘れていませんか?
一旦はエアコンが起動するのだけれど、しばらくすると止まってしまうような場合、エアコンカバーの外し忘れを疑ってみてください。
エアコンを長期間使わない場合にエアコンカバーをかけておく人もいると思うのですが、室外機側のカバーを外し忘れている可能性があります。
室外機にエアコンカバーをかけたまま電源を入れた場合、エアコンは一応は動き出すのですが数分ですぐに動かなくなってしまったり、場合によっては生ぬるい風しか出てこなかったりということもあります。
これと似たシチュエーションで、室外機の周りを荷物などで囲んで塞いでしまったり、室外機の裏側のアルミフィンに犬や猫などの動物の毛がびっしり付いてしまっているような場合も、同様のことが起こってしまいます。
これらのことが原因でエアコンが動かなくなった場合、室外機のカバーを外してエアコンの電源を切り、エアコンのリセット動作(コンセントを抜き差しする、リモコンのリセットボタンを長押しする)を行えばエアコンは正常に動き出します。
ちなみに、エアコンは一度停止させた直後に運転ボタンを押しても数分間は始動しないプログラムになっているので、運転ボタンを押したらしばらくの間は何もせず、ちゃんと動いてくるかどうか様子を見るようにしてください。
室外機のファンや圧縮機はちゃんと動いていますか?
エアコンは室外機が動いていないと室内機から冷たい風(暖房の場合は暖かい風)が出てこない仕組みになっています。
エアコンの電源を入れたら室外機のところに行き、①室外機のファンが回っていること、②室外機の中にある圧縮機が起動していること(ブゥ~~ン・・・というような低い音がしているか)を確認して下さい。
運転中に室外機が途中で止まってしまうような場合は、こちらの記事が参考になります。
>>【エアコン故障!?】室外機が動かない(回らない)原因と対処法まとめ
除霜運転ではありませんか?(冬場の暖房の場合)
冬場の暖房だけに限った話ですが、エアコンの場合、霜取り運転と呼ばれる室外機についた霜を溶かすプログラムが作動している場合があります。
除霜運転中は、室内機のファンは停止、または微風となり、室外機は圧縮機は動作している(ブゥーンという低い音はなっている)ものの、室外機のファンは停止している状態になっています。
一般的には、霜取り運転は「暖房(数時間)→除霜運転(数分)→暖房・・・」というパターンで行われますが、何らかの理由で暖房運転開始時に室外機に霜がついたと判断された場合、暖房の開始直後から行われることもあるため、数分から十数分の間、エアコンから暖かい風が出てこないことがあります。
室内機は動いていないけど室外機からはブゥーンという音がしている場合、しばらく待っていれば暖房が開始されますのでこれはエアコンの故障ではありません。
室内機のエアコンフィルターが汚れていませんか?(冬場の暖房の場合)
冬場の暖房運転の場合、室内機には高温高圧の冷媒ガスが流れ込んできています。
室内機側のエアコンフィルターがあまりにも汚れてしまっていると、冷媒ガスの圧力が上がりすぎてしまってエアコン本体が途中でエラー停止してしまうことがあります。
長い間エアコンフィルターを掃除していなかったという場合、掃除機などを使ってフィルターに付いたホコリを掃除してエアコンを再始動してみて下さい。
本体リセット(エラー復旧)の方法
パナソニックエアコンの場合、ちょっとしたエラーであれば本体リセットで復旧する可能性があります。
具体的な本体リセット方法は、以下の通りとなります。
【SETP1】エアコンをOFFにする
エアコンが動いている場合はリモコンでエアコンの電源をOFFします。
電源ランプが点滅して既にエアコンの動作が停止してしまっているような場合は、そのまま次のステップに進んでください。
【STEP2】室内機の電源コードを抜く
次に、エアコンの電源コードを抜きます。
電源プラグが高いところで抜き差ししにくい場合などは、分電盤の中にあるエアコン回路のブレーカーを落としてもOKです。
ルームエアコンの場合、電源は室内機側のコンセントのみとなっていますので、ここまで作業ができたらエアコンに流れる電気は遮断できたことになります。
【STEP3】1分後に電源を入れ直す
エアコンの電源を落としてから1分後にコンセント(ブレーカー)を入れ直し、エアコンを再起動してみましょう。
ルームエアコンの場合、電源コンセントは室内機のところに一箇所しかないため、この操作を行うことで、室内機だけではなく室外機の方も同時にリセットすることができます。
この状態で再びエアコンが停止(タイマーランプが点滅)してしまった場合、エアコンに少し症状の重い不具合が発生している可能性があります。
応急運転による動作確認方法
パナソニックのエアコンには「応急運転ボタン(電源ボタン)」がついています。
室内機の前面パネルを開いたところについているこのボタンを押すことによって、応急運転を行うことができます。
- 室内機前面パネルを開けたところにあるON/OFFスイッチを押す
- 応急運転が開始される
- 再度、ON/OFFスイッチを押す
- エアコンが停止する
パナソニックエアコンの応急運転は、快適おまかせ運転といった設定温度が25℃で動作するため、夏場の場合は冷房運転に、冬場の場合は暖房運転で起動することになります。
この応急運転でエアコンが正常に動いた場合、エアコンのメインとなる冷房や暖房機能は故障していないということを確認することができます。
なお、途中でエアコンが停止し、タイマーランプが点滅し始めた場合は、エアコンが故障してしまっている可能性が高いといえます。
次のページでは、パナソニックのエアコンがつかなくなる主な5つの故障原因についてお話していきます。