真冬の寒い時期、エアコンをつけているのに部屋が温まらず寒いままだと、本当に困ってしまいますよね。
シャープ製エアコンの暖房の効きが悪いという不具合は簡単なチェックや本体リセットなどで症状が改善する場合があります。
この記事では、暖房の効きが悪い場合にチェックすべきポイントや具体的な対処法、不具合原因の特定方法、修理の場合の料金相場まで詳しくお話していきます。
この記事の監修者「taichan」
エアコンの困った解決!15年以上の実績を持つ空調のプロ「taichan」があなたの快適な暮らしをサポートします。大学院でヒートポンプの研究を行い、特許も複数取得。大手電機メーカー勤務後はエアコン取付修理の実務経験も積んでいます。エアコン選び、使い方、故障・トラブル、クリーニング、省エネまで、どんなお悩みにもお答えします。【保有資格】電気主任技術者、電気工事士、冷凍機械責任者など
リモコン設定と室内機、室外機の簡単チェック
シャープのエアコンはちょっとしたことが原因で暖房の効きが悪くなってしまうことがよくあります。
その場合、設定やメンテナンスをやり直せばエアコンの効きが良くなり、また部屋を温かくすることができるようになりますので、以下の内容をチェックしてみて下さい。
リモコン設定のチェック(5項目)
リモコンは、エアコンに指示を出すための重要なパーツです。
エアコンは一般的な暖房器具より設定項目が多いため、設定ミスなどが原因で暖房が弱くなってしまっていることがよくあります。
リモコンを手に取って一つ一つボタンを操作しながら読み進めていって下さい。
①運転モードが冷房や除湿、送風などになっていませんか?
運転モードが冷房や除湿、送風などになってしまっていると、いくら設定温度を上げてもエアコンから暖かい風が出なくなってしまいます。
念のため、リモコンの運転切り替えボタンを押して、運転モードを暖房や自動に切り替えてみて下さい。
冷房は冷えるのに暖房だけが効かないという場合は、こちらの記事が参考になります。
>>【エアコン故障】冷房は冷えるのに暖房が効かない原因と対処法
②設定温度が低くなっていませんか?
エアコンの暖房は、部屋の温度が設定温度になると温風を停止する仕組み(送風運転のみ、室外機は停止)になっています。
暖房の効きが悪い場合は設定温度を23℃以上に設定し、室内機から温風が出続けるようにしてみましょう。
③風量が微風や弱になっていませんか?
エアコンは風量が微風や弱などになっているとノロノロ運転になってしまい、吹き出される温風の量が減ってしまいます。
最大能力で暖房を運転するためには、風量を最大や自動などに設定しておく必要があります。
④風向きが上向きになっていませんか?
暖房をつけていても部屋が寒く感じる場合、エアコンの風向きが上向きになっていて温風が足元まで届かず、床面が冷たいままになってしまっていることが原因である可能性があります。
暖かい空気は上へ上へと上がっていく性質がありますので、暖房運転の場合は風向きを「下向き」または「自動」に設定しておきましょう。
⑤省エネモードになっていませんか?
電気代を節約するため省エネモード(控えめ運転など)を設定している場合、暖房能力が弱くなってしまいます。
省エネモードを解除し、逆にハイパワーモードなどに設定してみましょう。
室内機のチェック(2項目)
エアコンの室内機は室外機から送られてくる高温の冷媒ガスを使って吸い込んだ空気を温め、温風にしてから吹き出すという仕組みで動いています。
室内機は風周りが悪くなると暖房の効きが悪くなるため、以下の内容を確認していきましょう。
①エアコンフィルターが汚れていませんか?
エアコフィルターにホコリや汚れが溜まってしまうと、室内機が空気をうまく吸い込むことができなくなるため、暖房の効きが悪化します。
前面パネルを開けてフィルターの汚れ具合を確認し、汚れている場合はフィルターを掃除して下さい。
②吸込口や吹出口が塞がれていませんか?
室内機の真下に家具などが置かれている場合、吹き出された温風がうまく部屋中に行き渡らず、暖房の効きが悪くなります。
また、吸込口(上面)にカーテンが被さってしまったり、室内機の天面に被せるタイプのエアコンフィルターを取り付けていているような場合、そのフィルターにホコリが溜まっていてうまく空気が吸い込まれなくなっていることもあります。
エアコンの効きを良くするポイントはこういった風周りの部分が重要ですので、一度確認してみて下さい。
室外機のチェック(3項目)
エアコンの室外機は、背面から外気を吸い込んで冷媒ガスに熱を取り込み、その冷媒ガスを高温高圧の状態にして室内機に送り出しています。
そのため、室外機は常に新鮮な空気を取り込み続けなければうまく外気から熱を吸収することができなくなってしまい、室内機に送られる冷媒ガスの温度も下がってしまうことになります。
一度室外機の状態を確認し、ファンの回転や風の流れを邪魔するようなものがないかどうか、以下の内容をチェックしてみて下さい。
①室外機のファンは回っていますか?
室外機のファンの動きが鈍くなると、暖房の効きが悪くなってしまいます。
植物やゴミなどの異物が室外機の中に入り込んでファンの動きを邪魔していたりしないか確認してみて下さい。
室外機のファンが全く回っていないような場合は、こちらの記事が参考になります。
>>【エアコン故障!?】室外機が動かない(回らない)原因と対処法まとめ
②室外機の周りに物が置かれていませんか?
室内機と同様に、室外機の風周りが悪くなると暖房能力が弱くなってしまいます。
室外機の周りにたくさん物が置かれている場合は、それらを別の場所に移動するなどして片付けましょう。
③一時的に温風が止まる霜取り運転ではありませんか?
暖房をスタートしてから1~2時間が経過した頃、突然温風が止まって室内機から「プシュー・・」、「ポコポコ・・・」という音が聞こえてくることがあると思います。
エアコンは外気温が5℃を下回るような状態で暖房運転を行うと、室外機のアルミフィン部に霜がびっしりとついてしまうようになるため、それを溶かして取り除くための霜取り運転が必要となります。
急に温風が止まってしまうとエアコンが壊れてしまったと驚いてしまうと思いますが、15分程度で復旧して再び温風が吹き出してきた場合、故障ではありませんので安心して下さい。
エアコンの効きの確認
ここで一度エアコンの吹き出し口に手をかざして、ちゃんと温風が出ているか確認してみてください。
ここまでの手順でエアコンの効きが戻った場合、しっかりと温まった風が手を押し返すぐらいの勢いで吹き出してきているはずです。
この時点でまだ温風が弱いという場合、本格的な点検(場合によっては修理)となってきます。
次のページでは、シャープ製エアコンの本体リセット方法や暖房が効かない場合の5つの故障原因についてお話していきます。